【スメラ修道院】トルコ東部の岩壁にたたずむ、秘められた遺跡

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トルコの風景と聞いて何を思い出しますか?
トルコ西部の大都市イスタンブールのモスクや中部カッパドキアの奇岩の風景、南西部の真っ白な石灰棚パムッカレも有名です。
そんなトルコを代表する風景たちですが、トルコ北東部にもそれに負けない遺跡があるんです。
峡谷を見下ろす高さ約300メートルの岸壁に張り付くように、ひっそりたたずむスメラ修道院という遺跡が。

トルコ北東部の都市トラブゾン

スメラ修道院への拠点となるトラブゾンは、トルコ北東部、黒海沿岸にあります。
トルコといえば、何となく乾いた大地を連想する人が多いかもしれませんが、ここトラブゾン近郊は黒海沿岸といこともあり、年間の降水量も多く他の都市に比べると街中にたくさんの緑が存在します。
また、海が近い港町ということで、どこかゆったりとした心地よい雰囲気で、アジアでありながらヨーロッパのようでもありました。

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街中の公園広場

スメラ修道院へのアクセス

そんなトラブゾンの南約50km、緑の深い峡谷を見下ろすように、高さ約300メートルの岸壁に張り付くように建てられたのがスメラ修道院です。

このスメラ修道院へのアクセスは、ツアー会社を使ってのミニバスでの往復、現地ツアーへの参加が基本になります。
街を歩いているとあちこちにツアー会社の看板があっていて、そのうちの一つを選ぶといった具合。
スメラ修道院まで、片道約1時間ちょっとで往復約2時間強、修道院の見学時間を考えると、午前中にツアー参加したほうが良いと思います。

スメラ修道院

トルコとは思えない風景

道中はトルコらしからぬ緑の多い風景で、標高も徐々に上がり、ゆるく山を登っていくような風景が広がります。片道約1時間ちょっとで、駐車場に到着。その後、再集合の時間を教えてもらい、あとは自由時間といった流れでした。

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日本の渓流のよう

ここに向かうまでの道中の風景もそうですが、駐車場からすぐの風景にまずビックりです。
深い緑のなかを勢いよく流れる川ときれいな水。信州や東北の日本の渓谷を思わせるような風景で、とてもじゃないけどトルコとは思えない風景です。

険しい坂道の先に

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ヒーヒー言いながら登る女子学生


そこから厳しい山登りの始まりです。
峡谷から高さ約300メートルの絶壁にへばりつくように建っているこの修道院への道のりは、勾配のきつい坂道を登り続ける事になります。

道はきれいに整備されてはいますが、標高も1500mあるため、遠足?と思られる若い女子学生も、ヒーヒー言いながら登っていて、負けじとヒーヒー言いながら登りました。
健脚だと約30分程でしょうか、緑たっぷりの山道を登ると一度広場に出ます。

 

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広場の雰囲気

雨上がりだったこともあり、山から白い靄が立ち上がって、広場の周りは何とも神秘的な風景でした。道中あまり人と会いませんでしたが、老若男女この広場で時間を過ごしていたんですね。

空気も新鮮なこの広場。

スメラ修道院は、この広場から岸壁に対して平行に、階段で横からアクセスする形になります。そしてそこには、時間が止まったまま天空にたたずむ、小さな街のような修道院がありました。

ひっそりとたたずむ、天空の街のような…

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「天空」な雰囲気の修道院


おぉ!
階段を上がりきると目の前には、小さくも非常に濃厚な風景が広がっていました。
広場から見えた赤レンガの建物(向かって右側)と岸壁の間にはちょっとしたすき間があり、その空間を使った小さな街のような空間が広がっています。
雲がかかった山の風景を合わせて見ると、まさに天空の街・修道院と呼べる風景ではないでしょうか。

白い石を積み上げてつくった建物は一回り小さく作られたスケール感。小人の街のようにも見えるサイズですが、そのサイズ感が身体感覚をそそられるように絶妙で、空間と身体の親密さを感じてしまいます。

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一回り小さいスケール感

この建物の創建は4世紀(日本では飛鳥時代の前!)、現在の姿のものは14世紀頃にキリスト教徒の修道院として建てられたものだそうです。深い峡谷から高さ約300メートルの岸壁。なぜこのような場所に建てられたのか。

それは、当時イスラム教徒が支配をしていた時代に弾圧を受け、平地では暮らしていけなかったキリスト教徒が、ひっそりと隠れ住む場所として、こういった場所を選ばざるをえなかったそうです。
トルコ中部カッパドキアにある、5万人が隠れ住んだ地下都市も同じ理由ですね。

中世という時代における「宗教」の影響力の強さと、それにより住むところを追われた人々。そういう人々が生みだした建築というのは、トルコだけでなく、世界中に存在するのかもしれません。そしてそれらは、例外なく美しい。そんなことをこのスメラ修道院を見て強く感じました。

まとめ

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岩壁に張り付くスメラ修道院


帰り際、改めて岸壁の方を振り返ると、岸壁にへばりつくようにスメラ修道院の建物が見えました。

平地では生きられないキリスト教徒が選んだ、断崖絶壁という場所。強大な力による弾圧の歴史を抱えた風景は、どこかもの悲しさを感じるものでした。

しかし、それと同時に、これだけ厳しい場所に建築を立てた人々の、力強い意志のようなものも感じる、非常に魅力的な風景でもありました。

 

【美ら海水族館】空港から2時間かかるアクセスは、現地ツアーで解決!

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旅行は基本的に個人旅行(自力)で行きます。
どの場所に、どういうルートで行き、どのホテルに泊まるか。
それを考えるのも旅行の大きな楽しみの一つと考えているからです。
ツアー旅行にある団体行動の煩わしさや、時間的縛りもありませんしね。

しかし時と場合によっては、部分的にツアーを利用したほうが圧倒的に効率的だと知されました。
それを感じたのは、沖縄本島にある美ら海水族館に行った時でした!

美ら海水族館は、空港から片道2時間かかります!

昨年のとある三連休、初めて沖縄本島に旅行に行きました。
美しい海も楽しみつつ、美ら海水族館も行くつもりで何気なくアクセス情報を見てびっくり!
那覇空港から美ら海水族館へは、車で片道約2時間かかるそうです!

南北に細長い沖縄本島、沖縄旅行の入り口となる那覇空港は南側に位置し、北西部に位置する美ら海水族館へは車で2時間強かかると…。

3連休での沖縄旅行。
初日と3日目は東京-沖縄間の飛行機移動で半日潰れ、2日目は終日海満喫に充てるとなると、移動だけで往復4時間強かかる美ら海水族館への観光は、けっこう厳しいです。

しかも、レンタカーを借りて返す手間暇、自分で往復4時間運転する労力を考えると、初日or3日目の半日の空き時間では難しいのではないか?
じゃあ丸々1日使える2日目の海をあきらめて、美ら海水族館への観光に変更?…。

そんなことを考えながら「美ら海水族館」をネット検索していると、何と何と、那覇空港発着の美ら海水族館ツアーを発見しました!

空港からツアーに参加

ネットで見つけたサイトの名前は、ベルトラ。国内だけでなく海外のツアーも予約できる専門サイトのようです。そして、今回私が参加したツアーが、下記のリンク先です。

参加したツアーの詳細»

ベルトラTOPへ»

料金は水族館の入場料(¥1.850)を含めて1人¥3,500。
レンタカー代や往復4時間の自分での運転する労力を考えると、おつりが来そうな値段です。
ツアーの開始時間を調べると、初日の飛行機到着後でも間に合いそうだったので予約しました。

車中は、ガイドさんの素敵な沖縄話

当日、沖縄空港に到着し、食事や土産物を見ながら時間を調整し、指定された場所に向かいました。
待つこと数分、『美ら海ツアーをご予約の○○様~』と声がかかり、存在確認。

ツアーの参加者は女性二人組と、ファミリーと私たちを含め3組のみ。
一回り小さな観光バスまで案内され、すぐ出発となりました。

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こんなバスで行きます

道中は、バスガイドさんが沖縄についての色々を説明してくれながらの移動という、小中学校のバス遠足を思い出しそうな時間を過ごせます。何となく窓の外を見ながら、BGMとしてガイドさんの話が聞こえてくる、非常に心地よい時間が流れます。

沖縄の方言について、道中通過する森についてや地名の由来・戦争の話など、耳を傾けながら『へえ~』と思うような話が多く、レンタカーを使っての個人旅行では得られない情報ばかりでした。

空港から北上するにつれ、車窓の風景がどんどん変わっていきます。
空港のある本島南部、繁華街の街中から米軍基地の多い中部エリア、そして豊かな自然を感じる北部エリアへ。移動の疲れもありウトウトしていると急に道が開け、左手に海が見え始めると、美ら海に近づいた証拠です。窓から海を眺めながら、30~40分程走り水族館に到着しました。

美ら海水族館を楽しむ

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西側の海を望む海洋博公園

美ら海水族館は、整備された広場やビーチ、イルカショーのステージなど西側に海を眺める海洋博公園の広大な敷地の一角にあります。
その敷地の中で、美ら海水族館駐車場からアクセスの良い場所にはありました。


目の前に海を眺める形で建つ美ら海水族館。その大まかな構成は、

①サンゴ礁を楽しみながら、浅瀬にいる魚を楽しむエリア
②ジンベイザメが悠々と泳ぐ、回遊魚たちの黒潮エリア
③深海生物のための深海エリア

という流れでした。

サンゴ礁エリア

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入場ゲートをくぐってすぐにある、サンゴ礁エリアがまず視覚的に楽しいです。
サンゴ礁だけじゃなく、浅瀬にいるカラフルな魚たちの色味でとにかく色彩豊か。特定の魚を取ったり、引きで撮ったり写真をパシャパシャ撮ってしまいます。
足を進めていくと、底のあたりにウツボがいたり水槽の上を小さいウミガメが気持ちよく泳いでいたり、目線と気持ちがあちこち移ってそれがまた楽しい。

そして一旦、個別にサンゴ礁を紹介する暗い部屋に入った後、テレビや雑誌でよく見るあのエリアに入ります。

青い光の中を見るような、黒潮エリア

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二頭のジンベイザメが悠々と泳ぐ黒潮エリアです。暗くゆるいスロープを下りながらのアクセスになるのですが、最初は何のエリアかわからずにいると、どこからともなく歓声が。

思わず横を見ると、天井まで高さのあるスリットのすき間から巨大な影が。ジンベイザメです!巨大なアクリルパネルを正面から見た風景がおなじみの黒潮エリアを、サイドのスロープからアクセスしているところでした。

正面からみるこの黒潮エリア、順路となる下からも見ることもできますが、階段を上がり、少し高い所からも見れるようになっています。
広い水槽の中を、ジンベイザメやマンタ・マグロ等がゆったり泳ぐ様はずーっと見ていられます。
また、この黒潮エリアは全体的にかなり暗くなっているため、水槽の中がまるで青い光の中のようになって、アクリルパネルに張り付いている人々が影だけのシルエットになるのが、アートな風景に思えます。

カフェ「オーシャンブルー」

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    カフェからの風景①

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    カフェからの風景②

この黒潮エリア、正面から見るのも良いですが、横にあるカフェ「オーシャンブルー」から見るのもおすすめです。
一面クリアに見えるわけではないですが、ゆっくり座りながら、天井までつながったスリットの隙間から巨大なジンベイサメが接近して来る風景を楽しむことができます。
ここの、マンゴーソーダジュースがおいしかったです。

カフェ「オーシャンブルー」について詳しく見る»

最寄りのホテルまで送ってくれるサービス

約3時間の自由時間を満喫し、バスに戻ってツアーの終了です。
運転手さんに宿泊先を伝えれば、最寄りの主要なホテルか大通りで降ろしてくれました。
空港からホテルの移動も短縮され、ほんと大満足のツアーでした。

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帰りのバスから見た沖縄の夕日

本島南部の見どころ

空港があり、飲食店やホテルもたくさんある南部を拠点に沖縄旅行を楽しむ人も多いと思います。
そこで私が訪ねてよかった南部のおすすめの場所を、さらっとご紹介します。

ステーキハウス88

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沖縄に複数店舗があるステーキ屋です。

沖縄本島は米軍基地もあるためか、ステーキ屋が多く存在します。その中で選んだ一店ですが、このお店のテンダーロインが全然しつこくなく、何枚でも食べられるほど美味しかったです。結局滞在中に2度再訪してしまいました。

ステーキハウス88について詳しく見る»

ニライカナイ橋

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南部の有名な絶景スポットです。南部の東の端にあるため、那覇市の中心部から40分程かかりますが、近くの猿人の湯と合わせてドライブがてら行きました。
美しいヘアピンカーブの先に海が見える絶景スポット。実際に走るのももちろんですが、遠くから眺めるのもまた楽しいです。

 

猿人の湯

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南部の絶景スポット、ニライカナイ橋から車で10分程のところにある温泉です。沖縄には珍しい天然温泉。露天はありませんが、お湯は黄金色・海抜150mの丘の上から沖縄の美しい海を眺めることができます。
施設もきれいで、お風呂上りにゆっくり食事をとることもできます。

猿人の湯について詳しく見る»

まとめ

美ら海水族館は、沖縄本島に旅行するなら必ず行きたい場所です。

ただ、本島中部や北部の他の見どころを車で一緒に回るなら別ですが、美ら海水族館だけ行くのであれば、今回のようなツアーに参加するのも一つの手だと思います。
レンタカー代やガソリン代、往復4時間の運転の事を考えるとなおさら。

沖縄に限らず、限られた時間の中で部分的に現地ツアーを利用すると、効率的・快適に旅行ができるというのは非常に大きいですね。というかベルトラすごい…。

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ちなみに…

美ら海水族館のお土産コーナーにある、ガチャガチャが結構よかったです。
一回¥200という良心的な値段ということもあり、何回もやってしまいました。
組み立てが大変でしたが、ダイバーと子供のがいい感じです。

 

【インド:アダーラジ階段井戸】イスラム・ヒンドゥー彫刻が美しい、井戸建築の最高峰

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インド北西部アーメダバード近郊に、美しい建築がありました。

柱や梁に掘られた繊細な彫刻が強い強い日差しを受け、キラキラとその美しさを表現していました。陰影が生まれた柱や梁の装飾は、華やかさと荘厳さを兼ね備え、たくさんの人が訪れる場所となっています。

その場所の名前は、アダーラジ階段井戸です。

インド北西部の都市アーメダバード

インド北西部、グジャラート州にあるアーメダバード。ニューデリーやジャイプルから南へ移動する際、必ず通るくらい大きな街ではないでしょうか。

近代的な都市で、中心部に鉄道駅と南北に流れる川があり、街が放射状に広がっています。郊外に工場が多く、経済的には恵まれているそうです。他の都市で当たり前に見るインド特有の「貧しさ」のようなものは、あまり見かけませんでした。

雨季と乾季にハッキリ分かれた地域で、雨季にはインド洋からのモンスーン(季節風)で大量の雨が降るのに、乾季には全くと言っていいほど雨が振らない。そういった土地柄のため、この地域には多くの階段井戸が作られたそうです。

前回訪れた逆ピラミッド型の階段井戸やダーダーハリ階段井戸も同じような理由で作られたようですが、今回訪れたアダーラジ階段井戸も、そのうちの一つです。

 

前回の記事はコチラ↓

www.million-diary.com

アダーラジ階段井戸

アクセス

STCバススタンド

STCバススタンドの場所はこちら»

バスで片道約1時間(25ルピーくらい)

アダーラジ(Adalaj)  

徒歩で約5分

階段井戸  

アダーラジ階段井戸は、アーメダバードから北に19キロほど行ったところにあります。
行き方は、アーメダバードのSTCバススタンドからガーンディーナガル行きのバスに乗り、アダーラジで下車。片道約1時間で25ルピーくらいだったと思います。そこから徒歩5分くらいで到着。

階段井戸までは一本道で、有名な観光地なので『バーオリ?(階段井戸)』と聞けばすぐわかります。入場料は無料でした。

淡い石色とビビットなサリー

アダーラジ階段井戸は、地上部分に三方ある入り口から一つの踊り場に一旦下り、そこからさらに井戸に下りていく構造です。その踊り場から見える風景がまず美しかったのです。

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サリーの色彩が映える!

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彫刻の繊細さ!

この地域特有の石なのでしょうか、淡い黄色味がかったパステスカラーの石の柱や梁に、繊細な彫刻が彫られています。その彫刻が強い日差しを受けて深い陰影が生まれ、美しさと寺院のような荘厳さを生んでいます。

この井戸はインド人にも人気の観光地らしく、たくさんの人がいたのですが、課外授業で来ていたと思われる女子学生達の、彼女達の色彩豊かな服装と淡いパステルカラーの階段井戸の色味が、カラフルな絵画のような楽しい風景を生んでいました。

水を汲み、涼をとる場所でもある

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    柱の装飾

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    下に行くほど光が届かず涼しい

階段井戸は下まで降りれるようになっています。
階段自体は段差も低く非常にゆったりした作りになっています。定期的に立ち止まりながら少しずつ下って行ったのですが、下に行くにしたがって水場が近くなり日陰も多くなるため、外気に比べてひんやりと涼しさを感じるようになってきます。

そう、この階段井戸には、人々は水を汲みに来るだけでなく日中の暑さをしのぐための場所でもあったそうです。この階段井戸に腰掛け涼みながら物思いにふけ、そしてご近所さんと世間話をしていたのでしょうね。井戸端会議とはよく言ったものです。

そして、下りていく度に目に入る一つ一つの彫刻がまた素晴らしい!

ヒンドゥー様式とイスラム様式の融合

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寺院を思わせる荘厳さ

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水平方向・垂直方向どちらにも力強い

現在ヒンドゥー教徒が多くを占めるインド、この井戸の建設を命じたのもヒンドゥー王朝の王妃によってだそうですが、その後、この地域がイスラム教徒によって統治されたため、この井戸を完成させたのはイスラム教徒なのだとか。
そのためヒンドゥー様式とイスラム様式が融合された珍しい井戸建築なのだそうです。

完成させたのはイスラム教徒ということで、偶像を思わせる人物を思わせる彫刻はありません。主に植物や動物の装飾が多く見られます。その量と繊細さが突出してます。

梁の側面部や柱の上部のいらるところに彫刻が施され、水平方向・垂直方向どちらにも目が行ってしまいます。それが下へ下へ、最深部は5層にもなっていました。これが地下ではなく地上に立ち上がっていたら、どれだけの存在感を示していたのでしょうか…。

まとめ

広い国土と長い長い歴史を持つインド。

仏教が生まれ、イスラム教が一時統治し、そして現在は、多くがヒンドゥー教であるインド。宗教という力を建築に注ぎ込み具現化した物のパワーは本当に恐るべきもので、そこに込められたパワーが、何百年も後世に残る遺産を生み出したのでしょう。

テクノロジーを駆使し効率的に建てられる現代建築は、数百年前に作られたこういった建築に、はたして勝てるのでしょうか?そんなことを遠い国インドで思ってしまいました。

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おまけ

インドは面白い国です。
街をぶらぶら歩いているだけで日本ではちょっと考えられないような風景に出会います。 写真は路上で散髪と髭剃りをする人。日本での当たり前が簡単に崩れちゃいますね。

 

「チャンドバオリ(インド)」の階段井戸に刻み込まれた、数式的美しさ!

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ゼロの概念発見の国、IIT(インド工科大学)の躍進、九九(くく)は十九×十九まで覚える…。数学(理数系)の分野において、インドの突出っぷりは有名です。そして、1000年前に作られた、雨水を貯める井戸の建築技術においても、そんな数学的頭脳を感じるものがありました。

チャンドバオリの階段井戸

雨季と乾季がはっきり分かれたインド北西部のラジャスターン州では、かつて雨水を貯めるための施設が数多く建設されたそうです。場所や時代が違えば大きさも形も大きく異なってきますが、このチャンドバオリの階段井戸は、その形も大きさも特に特徴的でした。

アクセス

この階段井戸は、デリーから南西約260km、ラージャスターン州の州都ジャイプルから、東へ約100キロの所にあるチャンドバオリという小さな村にあります。ピンクシティとして知られるジャイプルの観光と合わせて行くのにも良い場所。

行き方は、まずジャイプルのセントラルバススタンドに向かいます。

セントラルバススタンドの場所はこちら»

そして、そのバススタンドからアーグラー行きのバスに乗りスィカンドラまで。所要時間2時間弱、93ルピー(160円ほど、安!)でした。

 

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長距離バスの車内

時間の遅れや分かりにくさで有名なインドの列車ですが、長距離バスは非常に快適。
私が乗ったバスは、車内はエアコン付きでシートはリクライニング機能あり、上部にフラットで寝れる座席まであったりで、言うことなしの快適さでした。

 

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周りは何もない小さな村

スィカンドラ到着後は、オートリキシャを捕まえて『チャンドバオリ』と伝えるか、階段井戸の写真の指差しで意思疎通。約20分程で、チャンドバオリ村に到着です

周りには何もない小さな村なので、柵で覆われた階段井戸の入り口はすぐわかると思います。
入場料は無料でしたが、寄付程度のお金を求められたような気がします。

逆ピラミッド型の不思議な井戸

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逆ピラミッド型に深くなる

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涼を取るための建物(立入禁止)

この摩訶不思議な階段井戸の建築は、1000年以上前、約8~9世紀頃、この一帯を治めた王により公共の井戸として建設されたそうです。一辺約30m程のこの井戸は、四角くとられた回廊の中心部分に、逆ピラミッド型に深くなっていき、深さも30mほどあるのだとか。

また、井戸の底の方は、地表からの深さと水の存在で天然のクーラーのような機能を果たすため、この階段井戸は単なる水の供給場所としてではなく、王族の避暑地や市民の憩いの場になっていたそうです。

井戸を囲った三辺に、無数に存在する階段と踊り場。そこにたくさんの市民が腰掛けた姿を想像すると、何だかいい場所ですね。

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規則正しく並ぶ階段

深さ30m、13層の階段と踊り場で構成された階段は、まるで数式を当てはめたように、どこまでも規則正しく、無限に続くように並んでいます。
装飾をせず機能性だけをどこまでも追求すると、このような美しさが生まれるのでしょうか。

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このスケール感!

13層からなるこの階段井戸。深さ30m(マンションだと10階くらい?)。
手すりもないため、足を踏み外すと大変なことになりますね。

ダーダーハリ階段井戸

チャンドバオリのあるラジャスターン州の南、インド西部グジャラート州の都市アーメダバードにも、少し趣の違う井戸が存在します。

アーメダバード鉄道駅から北へ2キロ

その井戸は、アーメダバードの鉄道駅から北へ2キロほどの位置にあります。
アーメダバード駅の大通りのある西側出口から、北上するオートリキシャを捕まえて向かうといった感じでしょうか。
時間は10分もかからずすぐ着きました。片道50ルピー程度。

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チョロQのようなオートリキシャ

井戸の周囲はごく普通の住宅街といった感じで、昼過ぎに行きましたが井戸近辺にはほとんど人はいませんでした。
非常に静かな環境のなか、役目を終えた井戸がひっそりとたたずんでいます。入場は無料。

イスラム教の長方形型の井戸

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    地上部分

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    中は地下神殿のよう

地上部分からは全貌はあまり見えず、丸と四角い開口部がぽつぽつ空いている程度でしたが、その開口部から下をのぞくと奥深い建築空間が広がっていました。

このダーダーハリ階段井戸は、15世紀に当時のイスラム政権によって作られたものたそうです。
五層で構成された深い井戸で、下への奥行きを強く感じます。柱や梁にはイスラムを思わせる植物の装飾も施されていて、静かに美しいです。
また、光は上部の開口部からのみなので、朝や夕方は日が傾いているため薄暗く、日中は少し明るくなるといった感じでしょうか。

 

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    下から見上げると…

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    社会科見学中?

下層に向かうにしたがって、暗く静寂に包まれます。直射日光を遮るためヒンヤリと涼しい。

 

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お揃いの制服がかわいい

私が行ったときは、ちょうど小学校の社会科見学と鉢合わせしたため、子供の声が響いていましたが、それ以外に人はほとんどおらず、静かにゆっくりとこの空間を楽しめると思います。

まとめ

雨季乾季がハッキリ分かれたインド西部は、昔から水の確保が死活問題事だった予想されます。そして、その水を確保するための井戸の建設にも、非常に大きな力が込められたことが伝わってきました。

チャンドバオリとダーダーハリ階段井戸。時代や場所が変われば井戸の形態もこれほど大きく変わるんですね。

 

【御殿場】とらや工房に絶景温泉!アウトレットだけじゃない御殿場の魅力


富士山のお膝元、静岡県御殿場市。
東京から日帰りで行ける、『御殿場プレミアム・アウトレット』が有名です。しかし、アウトレット以外にも魅力的なスポットが複数あるので、ご紹介できればと思います。

御殿場市の場所

御殿場市へは、富士山の東側、静岡県の北東部に位置する県境の街です。

高速バスで御殿場へ

御殿場市は車や電車で行くことも出来ますが、都心からなら高速バスで行くのが圧倒的に便利!

バスタ新宿

バスタ新宿へのアクセス»

高速バスで約1時間45分(大人片道:1680円)

高速バスについて詳しく見る»

御殿場駅 御殿場駅をグーグルマップで見る»

西に富士山・南東に箱根山を望む絶好の場所

西に富士山、南東に箱根山を望む絶好の場所を生かした御殿場市は、富士山周辺や箱根観光への交通拠点となる場所です。2000年に開業した「御殿場プレミアム・アウトレット」が何より有名ですが、それ以外にも見どころがいっぱい。

その一つが、山頂から雄大な富士山を拝めることができる金時山への登山。
御殿場駅から、登山口までバスで20分程、健脚であれば山頂まで2時間前後で着ける山で、山頂やふもとの茶屋も有名。都心からの日帰り登山も十分可能ですが、山とその周辺をゆっくり楽しみたい人には、御殿場を拠点にして登山を楽しむそうです。

そして、その金時山の登山口からぼど近くにあるのが今回のおすすめスポット一つ目、「とらや工房」です。

清々しい自然と共にある「とらや工房」

京都創業の和菓子屋「とらや」の工房「とらや工房」は、金時山の登山口の近く、明治期から多くの別荘が建てられた避暑地の御殿場市東山エリアに、竹林や池・小川を有した広大な敷地の中に建てられています。

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緑に囲まれた入口の山門

入口となる山門をくぐった先に広がるこの敷地は、清々しい自然でいっぱいの空間が広がっています。風で揺れる竹林の音・散策路に落ちる木漏れ日・緑に囲まれた東屋、想像しただけで気持ち良くなりそうでしょ?
そんな敷地に溶け込むように「とらや工房」は建てられていました。

アクセス

虎屋工房へのアクセスは、御殿場駅からプレミアムアウトレット行きの路線バスにのり「東山旧岸邸前」で下車。バス停のすぐ目の前に、入口の山門が見えます。
※バスは一時間に一本ほどです。

御殿場駅  

路線バスで約5分

時刻表はこちら»

東山旧岸邸前

東山旧岸邸前をグーグルマップで見る»

御殿場駅から路線バスで5分、バスを降りてすぐに敷地の入り口が見えます。
入り口となる山門は非常に趣があり、その山門の手前から、竹と気持ちの良い緑が取り囲んでいます。
敷地に入る前からすでに、隠し切れない気持ちの良さがあふれ出ています!

そして、その先に続く散策路は、ゆるいカーブを描いていて、『先に何があるんだろう?』と楽しみになるように、先へ先へ続いています途中、散策路はいくつかに枝分かれしながらも、迷わず真っすぐ進むと緑に囲まれた東屋が…。何なんでしょうこの気持ちよさ…。

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    東屋

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    案内看板も美しい

そして散策路の一番奥まで行った辺りには、バス停の名前にもなっている、岸信介元首相の自邸「東山旧岸邸」があります。入口から見える上品な建物の外観を横目に、散策路のカーブを進んでいくと視線の先に黒い建物が見えてきます、これが「とらや工房」の建物でした。

とらや工房HPへ»

東山旧岸邸HPへ»

広い縁側のような建物

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とらや工房の建物

ゆるく湾曲した散策路に寄り添うように、ゆる~く湾曲した「とらや工房」の建物は、散策路側が全面ガラスになっており、ガラス戸を大きく開け放つと、建物内に自然の空気感を引き込むことができ、まるで大きな縁側のような空間になっていました。

散策路側は庇(ひさし)もガラスで外壁に木がふんだんに使われいるため、とにかく気持ちがいい。
店の椅子に身を預け、和菓子を食べながらぼ~っと庭園を眺める時間は、至福の一言です!

清々しい自然の中に、気持ちよくなじむように建てられたこの「とらや工房」の建物。
設計されたのは、建築家の内藤廣氏です。現代の建築家と言えばガラスや四角い箱の建物を設計しているイメージがありますが、内藤氏は昔ながらの日本的な、切妻屋根の木造建築を設計されることが多く、京都にある「とらや 京都一条店」も内藤廣氏の設計だそうです。

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縁側のような建物

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どら焼きと緑茶をいただきました!

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自然に溶け込む、とらや工房の建物

とらやの和菓子と、居心地の良い建物、目線の先の自然。
欠点が見当たらない、質の高い空間と時間を過ごすことができるこの「とらや工房」は、この工房を目的に御殿場を再訪したいと思うほど質の高い場所で、ホントにおすすめです!

そしてもう一つのおすすめが、このとらや工房から歩いて20分程の所にある「ごてんば市温泉会館」。
富士山を望む絶景温泉です。

富士山と夕日を同時に眺める温泉

ごてんば市温泉会館

西に富士山を望む御殿場市は、西に沈む夕日と雄大な富士山を同時に眺めることが出来る場所です。
それを温泉につかりながら眺めるということが出来たら最高ですよね。

「ごてんば市温泉会館」はそれを可能にしてくる場所の一つです。
箱根山の外輪、乙女峠ほぼ中腹に位置する「ごてんば市温泉会館」は、富士山と御殿場市が一望できる高所にあり、温泉につかりながら夕日と富士山を眺めることができる絶好の場所。

残念ながら露天風呂はありませんが、全面ガラスになった浴場の片側からは、どっしりと鎮座した富士山がドーンと見えます。大人3時間500円という良心的な値段もあって、夕方になると駐車場がいっぱいになるほどの人気の温泉です。

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温泉会館近くからの風景

御殿場市とその向こうに富士山を見ながらの温泉。
黄昏時には、夕日を背にした富士山がシルエットだけになり、日が沈むと夜景が広がるこの温泉からの景色は、一見の価値大ありです!

ごてんば市温泉会館のHPへ »

まとめ


都心から2時間弱で行ける御殿場市。

今回ご紹介した「とらや工房」「ごてんば市温泉会館」に加え、有名なアウトレットや金時山への登山も加えると、日帰りではもったいないくらいの魅力あふれた場所です。
お出かけが気持ちいいこれからの季節。御殿場市を週末トリップの候補にしてみてはどうでしょうか。

 

flameの照明は、五感をくすぐるインテリア【ブログ】

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人の心を満たすものって、人によって丁寧に作られたものなのかなって思います。

食事とかでも、空腹という一時的な欲求を満たすなら、いわゆるチェーン店の外食やインスタントな物でも良いと思いますが、味覚とか食感とか香りとか、五感を満たす食事っていうのは、やはり料理人によって丁寧に作られたもが満たしてくれると思うんです。

住宅も、とりあえず住むだけなら平均的な賃貸住宅や建売の戸建て十分です。ある程度の面積と設備があれば満足して住めるかもしれませんが、自分が本当に心良いと思える住まいというのは、優秀な建築家や職人の仕事じゃないと、なかなか叶えられないと思うんです。

夜にしか使わない照明についても、同じようなことを感じさせてくれるモノに出会いました。
それが「flame」の照明です。

flameとは


flameを知ったのは学生時代の建築学科の友達が、中古のマンションを購入し自分でリノベーションをしていた時でした。内装工事もほぼ終わり家具調度品をどうしようかと悩んでいるときに、名前が出たのが「flame」という照明ブランドです。

兵庫県芦屋市にショールームを構えた「flame」は、『灯りを単に部屋を明るくするものではなく、心地よい時間や豊かに暮らすための大切なもの』をコンセプトに丁寧に照明づくりを行っているオリジナルブランドでずっと気になっていたのです。

芦屋にあるショールム

flameの製品はオンラインでも購入できますが、兵庫県の芦屋市にショールームがあります。
そのものづくりのコンセプトに好感を持ち、実物もこの目で見てみたいとずっと思っていた私は、認知してから数年後、自身の引っ越しを機に照明の購入を考え、兵庫県芦屋市にショールーム(全国に取扱店もあるみたいですが、店舗・取扱数ともに少ないみたいです…)を訪れました。

芦屋川の横で流れるゆったりとした時間


全国有数の高級住宅地である芦屋市。阪急電車 芦屋川駅から南北に流れる芦屋川沿いに北上すること約10分、flameのショールームは閑静な住宅街の一角、緑いっぱいの前庭を有してたたずんでいました。
白い壁、木の床木のテーブル…。店内は気持ちのいい家を具現化したような内装です。
そして、それを演出するような照明が所狭しと天井から吊るされ、机やテーブルの上に置かれていました。

素材も用途もまちまちの照明達ですが、すべてに共通しているのが、いかにもな工業製品ではなく、人の手を感じさせる温かさのようなものが感じられます。
思わず手で触れてみたくなるようなものや、どこか懐かしい質感を持ったものなど、気になるものがいっぱいで楽しい時間が流れていきます。

ショールームのすぐ横を芦屋川が流れているためでしょうか、何か時間がゆっくり流れているよな気がします。そんな楽しく穏やかな時間の中、熟考の末に購入した一つが、このスタンドです。

人の手を感じられる細部

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昼の顔

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夜の顔

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シェードの質感

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電球部分の細部

値段は¥32,000と少し高いかと思いましたが、細部に見られるつくりやこだわりを見れば納得できます。

ベージュ色のシェードは、厚めの布の質感がありながら光を不均質に通し、柔らかい光となって部屋の一部をじんわりと灯します。 真鍮製で作られた本体は風合いもよく、どこか懐かしさを思わせる雰囲気。長く使えば使うほど味が出てきそうです。 またシェードの部分は可動式になっており、明かりの方向をある程度調整できるようにもなっているので、読書や作業の際の照明にも使えます。 このブランドの「灯りを感じる」というコンセプトを身をもって感じられる照明ではないでしょうか。

全体的に、どこか懐かしい「クラシック」な風合いの中に、無駄のないシンプルな形の「洗練」さが共存したような、不思議な雰囲気をまとった照明です。

bourbon(ブルボン)ベージュ »

まとめ

オフィスビルの蛍光灯のように、どこまでも明るく空間の隅々まで照らす照明は、非常に機能的で作業等をする際には欠かせません。 私が買ったこのスタンド照明は、そういった「明るさ」といった機能的な部分は満たしてくれませんが、 ほのかに部屋の一部を灯し、部屋の中に明るい部分と暗い部分、陰影のグラデーションを生んで、部屋の表情を昼とは全く違うものに変えてくれます。 部屋の一部に闇があることで明かりの大切さを今一度感じさせてくれる、そんな照明といったところでしょうか。

一日の終わり、くつろぎの時間と空間を演出する調度品。flameのこの照明はそういった五感を満たしてくれる照明です。

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ちなみに…

flameのショールームの近くには、 旧帝国ホテルの設計者として知られるフランク・ロイド・ライト設計のヨドコウ迎賓館があります。
彼が提唱した「自然との調和をはかる有機的建築」を身をもって感じることができる建物で、とにかく内部空間の演出が素晴らしい!

ヨドコウ迎賓館の詳細へ »

 

その他のインテリア記事はコチラ↓↓↓

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【香港国際空港】ラウンジ・街中・マカオ…。アクセス詳細ページ!

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魅惑の街香港。高層ビル群とその夜景、食文化、イギリス統治の雰囲気が残る建物や街並み、カンフー。カジノで有名なマカオにも、日帰りで行ける距離。
面積はけっして広くないこの国は、魅力的な顔をいくつも持っています。
そんな香港の入り口となる香港国際空港についてちょっとまとめてみました。

格安航空で香港へ行こう(LCC:香港エクスプレス)

香港エクスプレスの実力

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香港へのアクセスは「香港エクスプレス」というLCCの存在でとても身近になりました。
アジアのハブ空港の一つ香港国際空港を拠点にする香港エクスプレスは、定期的にセールを行っています。「帰りは10円セール」や「片道100円セール」などのセール時にチケットを購入すると、2万円前後で往復チケットが購入できたりします(当然日程にもよりますが)。

LCCなので、預け荷物は有料、手荷物は7kg以内、機内食やドリンクも有料となりますが、シート幅はLCCの中では比較的広く感じましたし、『定時運航』を基本方針にしているため大きく時間が遅れることが、あまりありません。(過去5回の行き返りに利用し、出発・到着で大きく遅れたのは一回だけ)。
そんな香港エクスプレスを利用することで、香港へ非常に安く行くことができます。

香港エクスプレスのサイトはこちら»

空港に着いたら、まず〇〇をしよう

両替をしよう

入閣審査を終え、荷物をピックアップし、ゲートを出る直前に両替所があります。空港から街中へ出るのに香港ドルが必要なので、ここや空港内でとりあえずの両替となります。ただ空港ってとにかくレートがよくないんです。よく海外に行った際、レートは『空港<銀行<街中』の順に良くなるって言いますよが、当然日本でも同じなんです。

ここ数年海外からの観光客数が激増している日本。そういった旅行者のための両替所を街中でよく見かけるようになりました。そして、そういった所は空港より全然レートが良い。

なので、香港旅行を計画してから用事で繁華街に行った際、そういった両替所で軽く香港ドルを両替しちゃうものありだと思うんですよね。、旅行までの気持ちを高めるという意味でも。

ちなみに私のおすすめは下記の二つです。

外貨両替ドルレンジャー »

アクセスチケット秋葉原店 »

オクトパスカードを手に入れよう

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香港旅行のガイドブックを見たら、かなりの頻度で目にする『オクトパスカード』。
香港中の電車やバス、トラムやコンビニなどで使用できるチャージ式のICカードです。
日本でいうsuicaみたいなもので、小銭がジャラジャラせず少額の決済にとにかく便利です。

販売はデポジット50HKD+チャージ金額100HKD=150HKDから。旅行の最後に返却すれば、残っているチャージ金額から手数料9HKDを差し引いた額が戻ってきます。
空港では、エアポートエクスプレスのチケットカウンターで買えます。

行き方はコチラ↓

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到着出口を出て中央の通りに向かう

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ターミナル2へ行くイメージで進む

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オクトパスカードを買うなら①

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このカウンターで買えます

空港の到着ラウンジを使おう

アジアのハブ空港の一つ香港国際空港は、キレイ・広いだけでなく、到着ラウンジがあるんです!
通常ラウンジというのは、出国の際、出国手続きをした後のゲートの中(定義上どこの国にも入国してない状態?)にあるものですが、この香港国際空港は、香港に到着して入国手続きをした後、ゲートの外にもラウンジがあるんです!
そのラウンジの名前は「プラザプレミアムラウンジ」。

プラザプレミアムラウンジとは

『航空会社、クラスを問わず、すべてのお客様に出発までラウンジのひとときを!』をコンセプトに
シンガポール・UAE・マレーシア等世界の空港100ヶ所以上にラウンジを展開している会社で、空港によってはシャワーや、食事を楽しめる高級ラウンジです。

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凄く落ち着ける雰囲気

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シャワーも浴びれます

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食事も頂けます

通常利用は日本円で¥7,000を超えるそうですが、楽天プレミアムカード入会で無料で申し込みができる「プライオリティ・パス」があれば無料で使えます。
私はよく、深夜便の香港エクスプレスに乗り早朝四時過ぎに到着後、このラウンジでシャワーを浴び、朝食を取り、仮眠した後に、観光へと向かうのが定番の流れです。

プライオリティ・パス

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楽天プレミアムカード入会(年会費1万円)で無料で申し込みができる「プライオリティ・パス」。 香港旅行なら、到着ラウンジと帰りの通常ラウンジの2回利用で元が取れるという考え方です。
ちなみに、楽天プレミアムカードが手元に届いてからの申し込みになるので、プライオリティ・パス取得まで一ヶ月程かかります!

到着ラウンジへの行き方

そんな到着ラウンジへの行き方はこちら↓。

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到着出口を出て中央の通りに向かう

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ターミナル2へ行くイメージで進む

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ラウンジは②のエスカレーターを下りる

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エスカレータ―を降りて左手がラウンジ

世界一長い海上橋を渡ってマカオへ

近年の大型リゾートホテルやカジノ開発で東洋のラスベガスと呼ばれているマカオ。
香港からマカオは日帰りで行ける距離にありますが、2018年10月に開通した世界一長い海上橋「港珠澳大橋」によってさらに身近になりました。

その、「港珠澳大橋」を渡ってマカオへ行くシャトルバス乗り場への行き方をご紹介します。

シャトルバス乗り場への行き方

世界一長い海上橋・港珠澳大橋を通るシャトルバスに乗ってマカオへ行きましょう。

香港国際空港からの行き方は、まず香港側の橋の入り口「香港口岸」へバスで向かい(約10分)、その後シャトルバスに乗り換えて45分程でマカオに到着です!
時間にして片道約1時間30分、料金にして71HKD~(日本円で約¥1,000~)で行けちゃいます!

シャトルバス乗り場への行き方はコチラ↓

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到着出口を出て中央の通りに向かう

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ターミナル2へ行くイメージで進む

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マカオへのシャトルバスは③

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    下ります

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    B4が目印

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直進です

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矢印の方向です

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B4が目印

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    B4が目印

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    こういう道を直進です

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    4つか5つ目、一番奥(?)のバス停

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    B4のバスに乗ります(6HKD)

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    こんな道を通って行きます

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    奥の大きな建物がシャトルバス乗り場

 

建物に到着したら、

『出国手続き⇒シャトルバスのチケット購入⇒バスでマカオへ』

という流れです。

建物もできたばかりでとてもキレイですし、とにかくバスに乗るまでがスムーズ。
迷うことなくマカオへ行けると思います!

 

家具蔵の無垢材チェアは、美しくて座り心地抜群!【ブログ-スツールセレ】

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家にはすでに アーム付きの椅子があるのですが、その椅子に加えてもう一脚椅子の必要性を感じ、結局スツールを買うことにしました。選んだのは家具蔵のスツール セレです。


アームチェア アルコⅡの記事はコチラ↓

チェアの中で、なぜスツール?

そもそもスツールとは、背もたれの無い一人用の椅子で、腰掛けとも呼ばれているものです。
『背もたれのある椅子の方がいいんじゃないの?』とも思ったのですが、常に背もたれやアームのある椅子を使うことがちょっとしんどくなってきました。
朝食を食べる際、特にそのことを強く感じるんです。

立ったり座ったりの面倒を解消

平日の朝、時間の無いなかで朝食をとる際、立ったり座ったりを繰り返すことがあるかと思いますが、その際にアームや背もたれのある椅子だと、アームをよけたり椅子が大きかったりで、ちょっとした面倒を感じるんですよね。
このちょっとした面倒が解消するにはどうしたものか。その時思い付いたのが、背もたれが無いコンパクトなスツールなんじゃないかと思ったのです。

それ以来、夕食やその後のくつろぎための椅子に加え、立ったり座ったりが楽な椅子の必要性を感じていました。そして購入したのがこのスツールです。

家具蔵の家具

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家具蔵銀座店

このスツールを制作している会社は「家具蔵」といいます。伝統的な木工技術を生かして、無垢材・無着色の家具作りにこだわっている会社で、実店舗も東京と横浜に何店舗かあるようです。青山や銀座、吉祥寺などオシャレタウンに店舗があって、正直お値段も結構張ります。

背もたれのある椅子だと5・6万から、アームのある椅子だと8・9万からですが、スルーツは3万円くらいで購入できることも、この会社のスツールを選んだ理由でもあります。

家具蔵の店舗情報»

無垢材・無着色とは

「無垢材」とはよく耳にしますが、ようするに表面だけじゃなく中まで同じ木材で作られているということだそうです。安価な家具とかで、表面だけきれいな木目で中身は全然違う素材で作られているものがあったりしますが、長く使っていると表面が剥がれたり深くキズが入ったりして、見た目が全然違う中身が見えたりします。無垢材はそういうことが無いということだそうです。

そして「無着色」ということ。
無垢材の家具はよく耳にしますが、「無着色」というのは結構珍しいみたいです。一般的になぜ着色するかというと、要するに隠したい事があるから。木目があまりきれいでなかったり、部位によって全然色が違うと困るので、無垢材でも色を付けていることが多いとのこと。
そういった中で家具蔵の家具は、着色せず、すっぴんで勝負できるくらい質の高い素材を使っているとのことだそうです。

家具蔵の家具の注意点

いいこと尽くめのような無垢材・無着色の家具ですが、当然注意点もあります。

重くて価格が高い

きれいな木目は表面だけで、中は軽くて安い素材を使って作った方が、軽くて安く制作出来ます。それに反して、表面から中まで同じ素材で作っているので、当然といえば当然ですが、値段が高くて重量が重くなります。

木目の表情は出来上がるまでわからない

着色していない生の木をそのまま使っているため、webサイトで見ているような木目のものがくるかわわからないということです。

注文から到着まで2・3ヶ月

椅子を作り置きせず、受注生産によって出来立てをお届けするということなので、しかたがないですよね。

全く隙のないスツール

そんなこんなで注文して2ヶ月強、待ちに待った椅子が到着しました。
実店舗でも座り心地を試していましたが、改めて感動です。

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全く無駄のない、美しい佇まい

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乗馬の鞍を思わせる曲線

抜群の座り心地

まず、この見た目。まったく無駄がありません。通常スツールや椅子は補強材があったりするものですが、このスツールは四本の足と座面以外まったく無駄なものがない。

そしてこの美しい座面の曲線。乗馬に使う鞍をイメージしたというこの曲線が、お尻の曲線に沿うようにフィットして、絶妙の座り心地を実現します。スツールとは思えないような座り心地で、はっきり言って、そこら辺の背もたれのついた椅子よりも、断然こちらの方が座り心地が良いです。

ディテールと素材

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細部の作りこみ

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美しい脚

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ウォールナット素材の表面

また座面の端の部分が滑らかに丸く削られているため、座った際のひざ裏が当たりがなく、座り心地の良さをさらに上げてくれます。また四本の足も下に行くにしたがって徐々に細くなり、全くやぼったさがなく洗練された見た目を演出しています。

素材は5~6種類~選べるのですが、私が選んだのは深い褐色のウォールナットです。
このウォールナットという素材は、木の中では珍しく元々色がついている木材で、この色味が文句無しにカッコ良いです!そして見た目とは逆に木の中では軽量な部類になるため、元々重い無垢材のデメリットを半減させてくれます。

見た目も美しく、座り心地抜群のこのスツール。
全く隙がないです。

スツール セレの詳細はこちら»

ちなみに

私は、テーブルの高さに合わせて、このスツールの足を2㎝切って注文しました。
テーブルの高さと椅子の高さの差が28㎝くらいがちょうどよいそうです。

椅子というのは毎日使う家具。実店舗で実際に座って確かめないとだめですね。


アームチェア アルコⅡの記事はコチラ↓

その他のインテリア記事はコチラ↓↓↓

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【日本武道館】武道の殿堂は、内部空間がすさまじい!

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アーティストのライブで、度々名前を聞く「日本武道館」。

一度でいいから内部を見てみたいと思っていました。できれば名前が示す通り、「武道」を行っている時に。そして先日、念願の日本武道館の内部に入ることが出来ました。
第41回 全国高等学校柔道選手権大会を見るために。

武道館の中に入りたい

日本武道館とは

そもそも日本武道館は、1964年東京オリンピックが行われる際、正式競技に採用された柔道の競技会場として、江戸城跡地である東京都千代田区の北の丸公園内に建設されました。収容人数は14471人、設計は京都タワーの設計者でもある山田守氏。「造形」に特徴のある建築を作る方だそうで、日本武道館の大屋根の形は、富士山の裾野をイメージしているそうです。

1966年にたビートルズのコンサートが行われたのもこの日本武道館で、それ以降日本における音楽の聖地とされ、多くのミュージシャンにとっての憧れの舞台になっているのだとか。

全国高等学校柔道選手権大会

全国高等学校柔道選手権大会は、毎年3月の春分の日前後に東京の日本武道館で開催される大会です。
二日間にわたって行われる大会で、初日に個人戦、二日目に団体戦が行われます。
私が訪れたのは、二日目、春分の日の祝日に行われた団体戦です。柔道経験者でもありませんし、柔道に強い思い入れがあったわけではありませんが、日本武道館は、武道が一番似合うのではと思い、このイベントを選びました。

※ちなみに来年の2019年度は、武道館改修工事のため、この大会自体は日本武道館ではなく別の所で行われるそうです…。

いざ武道館へ

3月21日(祝)春分の日、柔道の大会自体は朝の9時過ぎから試合が行われているそうですが、とりあえず内部空間とその中で武道が行われている雰囲気が味わえればと思っていたので、昼ご飯を食べた後、14時過ぎに到着の予定で向かいました。

武道館の最寄駅、地下鉄九段下駅を降り、案内マップを確認して、武道館近くに出る2番出口へ向かいます。ちょうど東京の桜の開花宣言が発表されたこの日、東京の桜の名所、靖国神社と千鳥ヶ淵の入り口にあたるこの九段下の桜の木も、何輪かの桜が咲いていました。
そして、江戸城跡地に当たる北の丸公園の入り口となる田安門をくぐるとすぐに、日本武道館が見えてきます。

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上に向け広がりを見せる外観

関係者や選手と思われる方々が武道館前にたくさんいます。その混雑を抜け、当日券のチケットを購入し、入口へ。チケットのもぎりの学生さんに『楽しんでいってください!』と気持ちよくいってくれたのが印象的でした。

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チケットはちょっと今風

すり鉢状の内部

2階自由席(¥1.000)のチケットなので階段で2階へ上り、観客席への重く大きな扉を開けると、おお!

八角形のすり鉢状の内部全体が現れました。八面に折れた観客席のすべてが、一階の競技場に向っているような、強い求心力を感じる空間です。天井は折り紙のように幾重にも折れ曲がり、上へ上へと立ち上がります。柱のない無柱空間を実現するための、建築構造的な意味合いでしょうか。

そして天井の中央部分には日の丸の日章旗。
『今日が春分の日で祝日だから?』と思いましたが、日本武道館では常に掲げられているそうで、どんなイベントでもでも降ろしてはいけないのだそうです。

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日本武道館の天井

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2階観客席から競技場を見る

そして会場全体を見渡します。

何かのイベントを行う際、会場が大きいほど人はたくさん入れますが、後ろの方(上の方)の席だと遠く感じる場合があります。逆に会場が小さいと、どこにいても近くで見れるメリットはありますが、大勢での雰囲気、会場が一体となる感動を感じにい場合がある中で、この日本武道館は、大きすぎず小さすぎず、非常に丁度よく感じました。競技場と客席も非常に近く感じます(感覚的にですが)。

さてどこに座ろうかと座席を見回すと、各高校の選手・応援が塊となって陣取っており、そのすき間に空席があるといった感じです。午前中で敗退し、帰宅の路についた高校もあるため、座席の埋まり具合は6~7割前後といったところでしょうか。1.2人なら前の方の良い席で見れそうです。

そして下の競技場では、男女団体戦の準決勝がちょうど始まるところでした。

柔道への興味

スーパー高校生斉藤君

実は、一度は入ってみたかった武道館のイベントにこの大会を選んだのは理由があります。
国士館高校の斉藤君です。

ちょうど一年前、去年の春分の日、夜何気なくスポーツニュースを見ていたら、去年のこの大会の模様が放送されていたのです。その時に、病のため2015年に亡くなられたロサンゼルス五輪・ソウル五輪男子柔道重量級金メダリスト斎藤仁さんの息子さんで、当時高校一年生だった斉藤立(たつる)君が国士館高校の選手として出場していることを知ったのです。
身長190㎝体重140kgを超えるスーパー高校生。将来の柔道界を担う存在として有望される彼にスポットを当てた内容でした。

オリンピック開催中にニュースで見る以外、特に柔道に対して強い思い入れがあったわけではありませんが、一年前のそのニュースがずっと心に残っていました。そして一年後の今日、国士館高校の団体戦大将として出場している彼と武道館を見るため、この大会を見に来たのです。

その国士館高校は順調に準決勝にコマを進め、斎藤君の出る幕もなく決勝へ進出しました。(男子団体戦は五人制で、勝った人が残っていく、勝ち抜き試合)

決勝、視線が一点に集まる緊張感

決勝戦は照明を少し落とした後、ライトアップする演出、テレビ放送を意識した選手紹介の元、女子から始められました。女子は代表3人が一対一で戦うポイント制。一勝一分けで大将戦までもつれる緊迫したものでした。

その後、テレビ中継のための優勝者インタビューが行われた後、男子の決勝へ。

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    向かって左列一番奥が斉藤君

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    斉藤君と対戦相手

男子は五人制で、勝った方が残っていく勝ち抜き試合ですが、一人勝ち抜いては負け、お互いが引き分けを繰り返し、四人目の副将同士も引き分け、最終的に大将同士の対戦になりました。斉藤君の登場です。決勝戦と主役の登場で会場の視線が一点に集まります。

身長190㎝体重140kg。対戦相手より一回りも二回りも大きい斉藤君が有利なのは明らかでしたが、相手が善戦しました。体格で大きく劣るため、まずしっかり両手で組ませません。そして、斉藤君の前に出ている左足を狙った作戦で、開始一分を過ぎてもどちらが勝つかわからないほどでした。

しかし、最後は主役の一本勝ち。
斉藤君が技をかけて相手が宙に浮いた瞬間、会場が一斉にどよめき、そして審判の『一本!』の声とともに試合終了です。

いやー、面白かったです。
武道館という建物も楽しみつつ、柔道の試合も十分に楽しめました。
公園の内部にある日本武道館は、自然を感じながら、穏やかな気持ちで帰れるのも良い所です。風は強かったですが、天気も良く、非常に良い休日でした。

ちなみに…

平成31年4月29日(祝)に行われる、柔道の全日本選手権も日本武道館で行われるそうですよ。
興味のある方は是非!

柔道の全日本選手権について»

 

【マカオ2019】大人が夢を見る街「マカオ」- 観光ダイジェスト

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ドラマや映画で見た夢のような風景。
ポーカーやルーレーットで大金を手にする主人公。それを取り囲む人々の絶叫!
そんなフィクションのような風景が、実際に目の前に広がる場所があります。
西洋の話じゃありません。日本の近く、中国大陸の沿岸部の南、東洋のラスベガス、マカオです。

街の収益でラスベガスを抜き、世界一となったマカオのカジノ。
世界の観光地を模した巨大リゾートホテル群に、その夜景の数々、
旅行に非日常を求めるなら、マカオはその期待に十分答えてくれます。

マカオってどこ?

マカオは中国南部の沿岸部、香港から西へ60kmほど行ったところにあります。
かつてポルトガルの統治を受けたマカオは、中国大陸と繋がるマカオ半島側とその南側に続く島部から形成されています。
見所は、ポルトガル統治の影響を受けた西洋とアジアが融合したような、不思議な雰囲気の街並みや世界遺産の建物・料理に加え、近年は大型リゾートホテルやカジノが何より有名ですね。

マカオに行くならまず香港へ

そんなマカオへのアクセスですが香港から日帰りで行ける距離ということもあり、日本から行く場合は、空港の規模や飛行機の便数の多い香港を経由するのがおすすめです。香港旅行と一緒に、マカオにも行くイメージでしょうか。

香港エクスプレスの実力

そして、その香港へのアクセスは「香港エクスプレス」というLCCの存在でとても身近になりました。

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アジアのハブ空港の一つ香港国際空港を拠点にする香港エクスプレスは、定期的にセールを行っています。「帰りは10円セール」や「片道100円セール」などのセール時にチケットを購入すると、2万円を切る価格で往復チケットが購入できたりします(当然日程にもよりますが)。

LCCなので、預け荷物は有料、手荷物は7kg以内、機内食やドリンクも有料となりますが、シート幅はLCCの中では比較的広く感じましたし、『定時運航』を基本方針にしているため大きく時間が遅れることが、あまりありません。(過去5回の行き返りに利用し、出発・到着で大きく遅れたのは一回だけ)。
そんな香港エクスプレスを利用することで、香港へ非常に安く行くことができます。

香港エクスプレスのサイトはこちら»

世界一長い海上橋を渡ってマカオへ

そして、香港からマカオのアクセスも、2018年10月に開通した世界一長い海上橋「港珠澳大橋」によってさらに身近になりました。

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以前はフェリーのルートが主流でした。空港からバスや鉄道等で約1時間かけてフェリーターミナルへ行き、そこからフェリーに乗り換え、さらに1時間かけてマカオへ行くルート。
待ち時間も含めると片道約3時間弱、料金もバスとフェリーで220HKD~(片道約¥3,000~)かけてマカオへ行っていましたが、2018年10月に、香港とマカオを結ぶ世界一長い橋・港珠澳大橋の開通によって状況が一変しました。

香港国際空港から香港側の橋の入り口「香港口岸」へバスで向かい(約10分)、その後シャトルバスに乗り換えて45分程でマカオに到着です!
時間にして片道約1時間30分、料金にして71HKD~(日本円で約¥1,000~)で行けるようになり、非常に便利になりました。

マカオの見どころ

地図データ©2019 Google

そんなマカオですが、大まかな地図は上記の通り。
大きく分けて、中国本島と地続きのマカオ半島側と、橋でつながった南の島側の2つに分けられます。
そして大きな見どころは2か所。
世界遺産が多く残るマカオ半島エリアと、島側の中央部、大型リゾートが多数存在するコタイエリアです。

世界遺産が多く残るマカオ半島エリア

マカオ半島側は、観光名所となっている「聖ポール天主堂跡」や「セドナ広場」など世界遺産が集まるエリアで、金色に輝く蓮の花を模した「グランドリスボア」があるのもエリアです。
セドナ広場を中心に世界遺産を回りながら食べ歩きをし、ちょっとカジノをのぞいてみるというのが定番の歩き方といったところでしょうか。
香港からの橋を使ったシャトルバスが到着するのも、このマカオ半島側の北東部になります。

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    蓮の花をイメージしたグランドリスボア

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    夜のグランドリスボア

大型リゾートが点在、コタイエリア

そのマカオ半島から橋を渡った南の島、この島はさらに3つのエリアに分けられます。
北側の古い街並みも残るタイパエリア、のどかな漁村の雰囲気が残る南側コロアンエリア、
そしてマカオの大きな見どころの一つ、中央部のコタイエリア。

ギャラクシーマカオやパリジャンマカオ・ベネチアンマカオなど、カジノを含めた大型複合リゾートが複数存在し、建物の外観・内装・夜景が桁外れで、非日常を存分に楽しめるエリアです。
最近のマカオといえばこのコタイエリアをイメージする方が多いのではないでしょうか。

桁外れの夜景は一見の価値あり

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ギャラクシーマカオの夜景

そんなコタイエリアには、日が暮れかけた夕方、マカオ半島からバスに乗り向かいました。
マカオ半島側から島に向かう長い橋からは、あまり明かりが見えることもなかったのですが、橋を渡り終えて数分、見えてきました。
光の固まり、点在する大型リゾート群の凄まじい夜景が。あちこちに光の固まりが立ち上がっているためどこのリゾートに入るかついつい迷ってしまいますが、私は最初から行くところを決めていました。
カジノの面積で世界最大級を誇るザ・ベネチアン・マカオです。

ザ・ベネチアン・マカオ

外観も内装も桁外れ。大人のテーマパーク

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エスカレーターの踊り場からの風景

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    カジノへ向かう廊下

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    カジノの天井

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フードコートの様子

ザ・ベネチアン・マカオは読んで字のごとくイタリアのベネチアをモデルに設計されたホテルです。外観の夜景もさることながら、内部空間も圧巻です。
一階の入り口に入った途端に目に入る床や柱・天井の模様や素材感。照明や家具などの調度品まで「高級感」を演出する作り込みが、ただただすごいの一言です。
2Fのショッピングモールの中には、ベネチアを模した水路とゴンドラまで再現されています(内部空間なのに…)。大人のテーマパークと言ったたところでしょうか。制限なく写真をパシャパシャ撮ってしまいます。

そして、このベネチアン・マカオには、世界最大級の面積を誇るカジノがあるのです。
一階の入り口から中心に向かって真っすぐ進んだ先、スーツを着た係員が両脇に身構えたゲートを通った先に、その巨大な空間は広がっています。

大人の娯楽場カジノ

装飾が行き届いた床と天井、どこまでも続く広い空間に、所狭しと並ぶテーブルの数々。その上では、ポーカーやルーレーットやバカラが行われ、そして大金を手にする人々。いつの日かドラマや映画で見た夢のような風景が目の前に広がっています。

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プレイヤーは、中国や香港の方々がメインですが、チップに姿を変えたその掛け金が私たちの比ではありません。一番安い100ドルチップ(約¥1,400)で掛ける人々もいますが、中には高く積まれた1,000ドルチップ(約¥14,000)や10,000ドルチップ(約¥140,000)で掛ける人々が。掛けに当たった際のリターンは、同等かそれ以上に。チップに姿を変えたお金が目の前で舞ってます…。

そんな風景をしばらく眺めていると、ふと思うわけです。大金を手にする夢を見るため、私もかけてみたい(少額ですが)!そんな私がやってみたのが、ルーレットでもなく、ポーカーでもバカラでもなく、大小(だいしょう・シックボー)というゲームです。


マカオカジノについてはコチラ↓

大小(だいしょう・シックボー)という東洋的なゲーム

ノンフィクション作家、沢木耕太郎氏のユーラシア横断旅を綴った小説『深夜特急』。
バックパッカーのレジェンド本となっているこの小説の香港・マカオ編に、この大小(だいしょう・シックボー)というゲームの描写がありました。
沢木氏が旅の序盤に立ち寄ったマカオで、その面白さにどっぷりはまって何日も通いつめ、一時は旅費のほとんどをスッてしまったというこのゲーム、一度はやってみたいと思っていました。

日本でも、時代劇でよく半丁ゲームを見ますが、サイコロを使うところがどこか東洋的で似てますね。

大小ゲームの大まかなルール

・3つのサイコロの出目の合計を予想する
・出目の合計が4~10が小で、11~17が大
・ゾロ目(1.1.1や2.2.2の計6種類)は、大でも小でもなくゾロ目に分類

掛け方

大か小をメインに、奇数か偶数か、ピンポインで合計の出目(11等)、ゾロ目など他多数
当たった時の配当もまちまちですが、とりあえず「大か小」で当たると倍。

大小ゲームで夢を見る

ガラス中に転がる3つのサイコロと目隠し用の蓋。

・ディーラーが蓋をし、自動でサイコロが振られる
・プレイヤーが予想をし、掛ける
・蓋を開け結果を見る
・歓喜と悲哀
・配当をする

その繰り返しが、ずっと行われる。
テーブルの上で行われているそのルーティーンの中に自分の身を投じるタイミングを計ります。選ぶべきは最小レートが一番低く(テーブルによって最小レートがある)、出目に偏りがあるテーブル。(各テーブルには、過去10回分ほどの出目が表示された電工掲示板がある)

大か小。確率的には1/2ですが、テーブルによって偏りが出て来ます。そしてその出目に偏りがあるもの(繰り返し大か小が出ているもの)を選べば、当たる確率が高くなると考えるのが普通。そしていった偏りが生まれているテーブルには、もれなく人だかりができています。人だかりの中に割って入り、大にチップを置き、結果を待ちそして…。

 

約2時間、カジノで大小ゲームを楽しみました。

 

結果は400ドル(約¥5,600)の勝ち。

 

偏りのあるテーブルを選び、ビビりながら慎重に、ここぞという時にだけ掛けたのが良かったのかもしれません。恐らく掛ける回数が多くなれば多くなるほど外れる確率が高くなるのかなと思います。

ああ、ちょっとだけ夢を見れました。

でも、カジノに行った際は、かけすぎには十分注意しましょう!

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ちなみに…

世界一安い、ミシュラン店といわれる、ティムホーワン。
昨年、東京日比谷に上陸し、それ以来ずっと行列が続く人気店ですが、ベネチアンマカオ2Fのフードコートにも店舗があります。
コチラは行列もなく、平均的な待ち時間で同じ味を楽しめるので、興味のある方にはオススメです!!

 

【新倉山浅間公園】長い階段の先に広がる、忠霊塔越しの贅沢な絶景

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桜って日本人にとってほんと特別なモノなんだなと改めて思います。
全国的に3月4月に咲き、そしてすぐに散ってゆく。
ちょうどその時期に、卒業式・入学式・転勤等が行われる日本において、桜が咲き、そして散ってゆく時期が、出会い・別れの季節と重なるということが桜という存在をより大きくしているのかなとも思います。桜関係の名曲も、相当多いですよね。

そんな桜、全国津々浦々有名な場所はありますが、その中でもちょっと特別な桜が見れる場所がありました。山梨県富士吉田市にある新倉山浅間公園の桜です。

都心からとっても近い、新倉山浅間公園

南に富士山、西に河口湖

富士山はよく静岡県側(南側)から見るか、山梨県側(北側)から見るかで見え方が大きく異なることで有名ですが、今回見るのは山梨県側(北側)。富士山の北側、河口湖の東側に位置する新倉山浅間公園は山梨県富士吉田市に位置します。

近くには絶叫マシンで有名な「富士急ハイランド」や「富士サファリパーク」、ロープウェイで登れる「カチカチ山」もあり、それらと合わせて観光に行くのが定番のようです。

新宿からバスで1時間半強

バスタ新宿

バスタ新宿へのアクセス»

高速バスで約1時間半(大人片道:1750円)

高速バスについて詳しく見る»

中央道下吉田バス停  

徒歩で約10分

「下吉田バス停」をグーグルマップで見る»

新倉山浅間公園

新倉山浅間公園について»

新倉山浅間公園へのアクセスは車・電車で行く方法もありますが、都心から行くなら高速バスが圧倒的に便利‼バスタ新宿(新宿駅すぐ)から中央道下吉田バス停(最近よくある、高速道路上のバス停)まで1時間半程で到着(大人片道:1750円)。

そこから歩いて10分で目的地に到着です。(私は、最寄りの拠点駅河口湖駅周辺で前日泊し、早朝に下吉田駅から行きました…)

桜と富士山と五重塔を同時に眺める絶景

桜の季節は混雑必須

4月第2週目の日曜日、朝8時。晴天・週末・桜が満開というベストなタイミングで行ったので、とにかく朝からすごい人でした。下吉田駅から新倉山浅間公園に徒歩で向かう人、仮設駐車場へ向かう車等々そういった混雑を横目にみながら駅から約10分、参道の入り口となる階段に到着です。

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    参道の入り口

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    鳥越しの富士を撮る人々

五重塔を目指し、階段をひたすら上る

参道の両側に咲く満開の桜を愛でながら進むと鳥居が見え、ここから本格的に階段での登りとなります。「咲くや姫階段」と名付けられたこの階段は398段あるらしく、普段運動不足の私には苦しくもありましたが途中途中で休憩しながら振り返って見る富士山と桜が元気をくれます。
途中右に折れて、散策路に入ってみる富士山も見事でした。
遮るものが何もない富士は雄大でずっと見ていられます。
既に帰路についている朝一組(ご来光組?)を横目に、さらにさらに登っていくと、五重塔の前に広場に到着です。

この五重塔、正確には忠霊塔と言うらしいのですが、先の戦争で亡くなった方の鎮魂のために建立したものだそうです。富士山と桜が見える素晴らしい場所で眠ることができる魂は、穏やかに過ごせるのではでしょうか…。


そして、この五重塔裏にあるのが一番のビューポイントとなる、展望デッキです。

特別な桜の風景

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これぞジャパンな絶景

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引きで見ると激混み…

桜と富士山と五重塔、日本的なものが三つ同時に一枚の写真に納めることができるということで日本人だけでなく外国人観光客もたくさんしました。
既に撮影をする人でごった返している展望デッキ横で順番を待ち、パシャリ。
後に並んでいる人のことを考えるとあまり長居できない状態です。
あまりいいアングルで取れなかったので結局もう一度並びなおして、再度撮影しました。
時間が遅くなれば遅くなるほど人はどんどん増えるので、朝早くに来ることをおすすめします。

この展望デッキからさらに上に行く山道があり登っていくと、頂上付近に第二展望台があり、より高く開けたところから富士山と桜を見ることができます。

帰り道まで楽しい新倉山浅間公園

帰り道もずっと楽しい

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    散策路からの景色

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    階段から見える景色

この新倉山浅間公園、帰り道が特に楽しかったです!
とにかく下りの階段を下りている間中ずっと富士山と桜の風景が広がるので、何度も立ち止まり、何度も写真をパシャパシャ撮ってしまいました。
桜と青空と富士山、これ以上ない清々しい風景ですね。

参道の入り口ふきんまで戻ってくると、広場で屋台やキッチンカーが甘いものや軽食を販売していました。桜の季節の「桜まつり開催中」はご当地グルメも一緒に楽しめるらしく甘味とコーヒーをいただきながらの小休止は、観光の締めくくりとしては申し分ないですね。

桜の季節は野焼きの時期でもある

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朝の9時過ぎには、すでに野焼きの煙が…

新倉山浅間公園の桜が満開になる時期の週末、ちょうど富士吉田市近くの陸上自衛隊の演習場で「火入れ(野焼き)」が行われるそうです。
毎年恒例の行事らしく、私が参道の入り口付近まで戻ってきた9時過ぎには始まって、富士山の左側が煙で隠れ始めました。

きれいな写真を撮りたい方はやはり朝早く行かれる事をおすすめします。
混雑必須ですが、桜の季節の新倉山浅間公園、ぜひ一度訪れてみて下さい。

 

【京都市動物園】ゴリラの吐息 ー ブログ

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ゴリラの吐息が聞こえたようでした。
食事の最中に、ガラス越しに見てくる妙な生き物(人間)たちに
『何見てんだよ』と言わんばかりのこの視線。そのあと『フー』と吐息が聞こえたような気がしました。

狭さを逆手に取った京都市動物園

京都駅からのアクセス

そんなゴリラの吐息が聞こえた京都市動物園は、京都市左京区の岡崎エリアに位置します。近くには平安神宮や京都市美術館、ロームシアター京都(旧京都会館?)等の観光スポットが複数あり、比較的訪れやすい場所。

京都駅から、清水寺・銀閣寺行きの100号系統のバスで岡崎公園動物園前まで30分程度で到着します。 (京都駅前のバス乗り場は常に行列が出来ていますが、10分おきくらいにバスが来るので大丈夫です。)

狭さを生かしたニューアルオープン

開園100年を超え、日本で2番目の動物園を誇る歴史のある動物園だそうですが、設備等の老朽化や、動物園としてはけして広くない敷地面積・動物たちの見せ方も考え「近くて楽しい動物園」をコンセプトに2015年にはグランドオープンしたそうです。

敷地の狭さは、展示できる動物の数に制約があるなどネガティブなイメージを持ちますが思いますが、実際訪れてみると、特定の動物を見た後歩いてすぐまた別の動物に会えるという、「狭さ」を「近さ」に変えた魅力を感じます。

動物を見るのはやっぱり楽しい

キリン

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    足をハの字にして草を食べる

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    キリンはやっぱり大きい

当日正面エントランスから入園した私が、まず出会った動物はキリンでした。
エントランスゲートをくぐった後、何も考えずうろうろしていると視界の端で大きく動くものが。柵のぎりぎりまで来て草を食べているキリンの姿が見えたので、走って見に行ってしまいました。

久しぶりに生で見るキリンは大きいです。地面付近に生えている草を食べるには自慢の長い首でも難しいらしく、長い脚をハの字にしてかがむようにしながら草を食べていました。一頭がそうやって草を食べていると別のもう一頭もおなかがすいたのか、近くに寄ってきて、同じように地面付近の草を束始める姿に、出だしからドキドキしっぱなしです。

フラミンゴとミーアキャット

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    フラミンゴ(足細っ!)

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    窓越しのミーアキャット

そのすぐナナメ後ろにはフラミンゴエリア。オレンジ色や薄いピンク色の体をしたフラミンゴたち。ただじっと立っているもの、水を飲むもの、時折羽根を広げ、飛ぶしぐさをするものなど数十匹のフラミンゴが思い思いに時間を過ごす姿を見るのはずっと眺めていられるほど楽しいです。

印象に残る動物は一期一会

ゴリラの圧倒的な魅力

窓越しに並んで立つレッサーパンダ・水の中で微動だにしないカバエリアを通りたどり着いたのがゴリラエリアです。野外エリアにはおらず飼育小屋の中に入ったときに目に入ったのがちょうど餌を食べているゴリラの後ろ姿でした。キレイに手入れされた毛並みの奥に見える凄まじい広背筋に、まず目を奪われてしまいました。400kgとも500kgとも言われる握力を生み出す掌と腕、それらを支える上半身の筋肉が美しすぎてただただ見とれてしまう程です。

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    広背筋が凄すぎる!

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    目が合うとちょっと怖い

よく考えるとゴリラは草食動物。たんぱく質を摂取せずどうやってその筋肉を作り出し、また維持するのかさっぱりわかりません。そんなことを考えながら眺めているとエサが尽きたのか、別の部屋に移動し、エサ抱えて、また同じ場所で食事を始めました。
その一連の動作がどこか人間臭くて面白くジーっと眺めてしまいます。

そんなとき『何見てんだよ』と言わんばかりにこちらを向いた写真が、このページの一番最初の写真です。目が合うと少し心が通じたように思うのは人も動物も同じですね。

結局ゴリラエリアには一番時間を費やすほど、見入ってしましました。
その後ライオンエリアやゾウエリアに行きましたが、あまり活動的な状態ではなく、すぐ通り過ぎてしまいました。

どの動物に対しても常に活動的な状態を見れるわけではないということです。
訪れたタイミングに活動的だった動物たちが印象に残っていく。
これも一期一会ということですかね。

爬虫類のカッコよさ

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交尾をする亀と、我関せずのイグアナ

そんな中、全然活動的でもない微動だにしない状態でも楽しめたのが、熱帯動物館でした。亀や蛇・小さいワニなど、姿を見てるだけで何故かわくわくできるのは爬虫類特有の姿・形を持っているからでしょうか。

我々人間やゴリラ・キリンなど哺乳類とは明らかに違う固い皮膚(鱗?)に覆われた爬虫類は、外敵から身を守るために直接的に特化したその見た目に、純粋に見た目の格好良さを感じてしまいました。

京都観光の一つとして

動物園を一周するのに結局一時間強。けして見れる動物は多くありませんが、小さいからこそ動物を近くで見れる、京都市動物園で過ごす時間は、予想以上に面白かったです。 お寺や神社で見どころ一杯の京都。私はその京都観光の変化球の一つとして、京都市動物園を入れてみましたが、結果は大満足でした!

INFORMATION

住所 |
〒606-8333 京都市左京区岡崎法勝寺町 岡崎公園内
入園料金(一般) |
¥600
開園時間 |
3月~11月 9:00~17:00/12月~2月の期間 9:00~16:30
休園日 |
月曜日・年末年始(12月28日~1月1日)
リンク |
https://www5.city.kyoto.jp/zoo/

nendoの壁掛け時計は、「主張しない個性」でインテリアに溶け込む

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「さりげなさ」ってすごく好感を持てます。
強く主張はせず、でも心には何かを残していく…。
人の性格や行動だけでなく、デザインにもそういうさりげなさを感じるものがありました。

ここ数年、デザインといえば名前を聞くようになった佐藤オオキ氏率いるデザイン事務所「nendo」がデザインした壁掛け時計「dandelion」です。

シンプルなデザインに、ほんのり個性をちりばめる

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見てのとおり、すごくシンプルです。秒針もありません。アクリルのカバーもなし。
時間を示すための要素以外は無駄なものは何もありません。
ただこの時計、とにかくシンプルなだけではない、別の時計とは違う何かがあるように思えるんです。

単体で見るとわかりませんが、壁に掛けた際、強く主張することなく部屋にすごくなじむんですけど、でもほんのり主張するんです。なぜなのでしょうか。

質感と色味

艶消しの質感であることで、光が当たってもきらりと光ることなく、強い主張を抑えると思うんです。
そしてこの絶妙の色味。このパステルカラーの色味がほんと絶妙なんですよね。
白色が混ざったような淡い色彩が、後ろの壁に軽く同化することでさらに主張を抑えています。

でもどこまでもなじんでしまうだけじゃなく、この時計はほんのり主張をしている気がするんです。

立体感を出すフチ

時計の一番外側、フチの部分。このふちの部分を、本体と同色にしながらも少しだけ立ち上げることで立体感をが生まれ、ほんの少しだけ存在感を出すことに一役買っているように思えます。

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    立体感を出すためのフチ

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    文字盤がタンポポの綿毛

文字盤に少しの個性を

そして何の変哲もない文字盤部分、ただシンプルなように見えますが、よく見ると文字盤が数字ではありません。
これは『数字の代わりにのタンポポ(=dandelion)の綿毛の本数によって時刻を伝える掛け時計。綿毛がふわふわと風に舞い散るように、流れ続ける時を表現した。』のだそうです。

そして、時間を表す12本の細い線の長さが、他の壁掛け時計よりちょっと長いと思うんですよ。
これが短針とかぶる絶妙の長さなので、時間を確認するため『パッ』と見たときに、何時何分か、他の壁掛け時計よりも、一瞬で判断できるための仕掛けなのかなと思います。

質感と色味で主張を抑えて抑えて、でも、フチの部分を立ち上げ立体感を出すことで、ほんのり主張。そして文字盤のデザインを線の幅は狭く、でも長さやデザインでほんのり他とは違うように主張しているのが、この時計のさりげない存在感を支えているのかなと思います。

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12本の線の長さと細さがちょうど良い

ミニマム・シンプルなデザインって、凛としていてカッコイイものが多かったりしますが、眺めているとちょっと緊張するようなのものが多かったりしますが、この壁掛け時計はシンプルでありながら、なぜか気持ちが和むような、そんな時計なんです。

部屋になじむ壁掛け時計を探している方に是非おすすめのプロダクトです。

INFORMATION

デザイン|
nendo(ネンド)
ブランド|
Lemnos(レムノス)
色|
グレー・ベージュ・ホワイト
サイズ|
直径290mm×厚み40mm
重量|
約580g
価格|
¥5,400(税込)

その他のインテリア記事はコチラ↓↓↓

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歌舞伎の世界を「一幕見席」で1000円体験‐歌舞伎座

歌舞伎ってどんな世界なんだろうか…。

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歌舞伎・相撲・落語、一度は経験してみたい日本の古典文化です。

その一つの歌舞伎、調べてみるとびっくりするくらい時間が長いんですね。(基本的に)昼の部と夜の部に分かれていて、その一つの部の中に、複数の演目と間の休憩を入れて約4時間(長っ)!チケットも4,000円から一番高いものだと20,000円まで!何となく、試し見くらいの軽い気持ちで行くには、ちょっと敷居が高いですね…。

そんな歌舞伎の入り口でウロウロしていた私にぴったりな歌舞伎の楽しみ方がありました。一つの演目だけを見るチケット「一幕見席」です。

気軽に歌舞伎を楽しめる一幕見席

「一幕見席」は、読んで字のごとく一つの演目だけ見る席。選ぶ演目によって時間も値段も前後しますが、時間は大だいたい1時間前後で値段も千円前後。ではこの一幕見席というチケットはどんな特徴があるのでしょうか。

見たい演目だけ見れる

歌舞伎のチケットは、基本的に複数の休憩を挟んで複数の演目を見るためのチケットです。 なので見たい演目、楽しい演目もあれば、そうでない演目も含まれています。時間はトータルで大体4時間。 気軽に歌舞伎を楽し見たい方には、少し敷居が高いかもしれません。その点一幕見席なら見たい演目だけ1時間前後(演目により)短時間でサクッと、見れるが特徴です。

千円前後で歌舞伎が観れる

歌舞伎のチケットの値段は、一番安い席で大体4,000円くらいから。複数の演目が見れるので4,000円でも決して高くはありませんが、『歌舞伎ってどんな世界なんだろう?』と試見的に見るにはちょっと高く感じるかもしれません。そういった方に千円前後から購入できる一幕見席はおすすめです。

前もってチケットを買わなくてよい

歌舞伎に限らず、観劇やスポーツなどは基本的に前もってチケットを購入しておく必要がありますが、幕見席の場合は『あっ、今日歌舞伎見たい!』 といったとき、当日チケットを買ってみることができます。

 

見たい演目を千円前後で、チケットは当日購入できる一幕見席。 『とりあえず歌舞伎の空気感・世界観を味わいたい!』『この演目だけ見たい!』という人には理想的なチケットですが、当然注意点もあります。

一幕見席の注意点

・当日券のみで自由席のみ(当日に並ぶ)
・4階席のみでかなり遠い(オペラグラスが必要かも)
・入り口が別のため、正面ホール等には入れない
・座席に限りがあるため、立ち見になることも

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    一幕見席の注意書き

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    一幕見席の一口

しかし、試見的に歌舞伎の雰囲気を味わうには十分で『これは!』という演目があれば見る価値が大いにあると思います。

初めて見る歌舞伎。どんな演目を選べばよいか

そんな一幕見席で選ぶべき演目は、登場人物の衣装や舞台背景が、視覚的に楽しめそうな演目(極採色を使っているとか)を選ぶこと。何せ一幕見席から舞台まで距離があるため、細かい演技のやり取りやシンプルな舞台装置だと楽しめない可能性が大きいです。なのでwebサイトで今月の演目を調べ、登場人物の衣装や舞台背景の色がビビットで刺激的な演目を選ぶと一幕見席でも十分に楽しめると思います。

歌舞伎公式サイト「歌舞伎美人」で、今月の公演をチェック

歌舞伎の演目はだいたい毎月変わるため、月初に歌舞伎公演のサイト「歌舞伎美人」で調べると、今月の公演情報が確認できます。そしてその中で面白そうな演目を見つけたら、当日販売される一幕見席の販売時間を調べます。同サイト内の新着ニュースやサイト内検索で「一幕見席」と調べ、一幕見席の販売時間を確認。当日何分前に並び始めようかなとか考えたりします(私は大体30分前を目安に並び始めます。)

そんな私が幕見席を使って初めて見た演目が『鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)』。

"帝の命により戸隠山に鬼退治に来た男たちが、美女に酒を飲まされ踊って飲んで。
酔いがさめた男たちが改めて山を進むと、美女から姿を変えた5人の鬼が現れ、最後はチャンチャンバラバラ…。"

文章で読んでも面白そうでしょう?
この演目を歌舞伎デビューの演目と決めて行ってみました。

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鬼揃紅葉狩の絵看板

当日は少し早めに行って並ぶべし

当日、一幕見席販売時間の30分前に東銀座の歌舞伎座へ向かい、正面玄関横の幕見席チケット売り場へ。既に数人の方がベンチに腰かけ並んでいたので、急いで後ろに並びます。ベンチに座る前に、係の方がお目当ての演目がどれかということと、ラミネートされた初めての方への案内を見せながら簡単な説明をしてくれるので非常にスムーズです。日本の代表的な文化ということで、多くの外国人の方もいたりして、待ってる間も結構わくわくしながら待てます。

チケットの購入と再集合

チケット販売数分前になると、係員の方が改めて注意事項を確認します。
『今から販売するのは○○(演目名)の幕見席です』とか
『購入は現金のみです』とか
『今からお伝えする集合時間までに、この入り口からエレベータを使って4Fまで来てください』とか…。

その後、チケットを現金で購入し、集合時間までの空き時間(30分~1時間くらい?)を経て、集合時間ちょっと前に4Fフロアに行くと、チケットに書かれた番号順に並ばされ、数分待つという流れになります。

一枚の絵のように美しい歌舞伎

『今から入場していただきますが、けして走らないようお願いします』

そんな、係員の方の声を合図に、ついに入場です。幕見席は全90席あるそうですが、一つ前の演目から続けて幕見席でみる(チケットは事前に二幕分購入している)方もいらっしゃるので、空いてる席を探し素早く座ります。極力中央の空いている席を選び座って前を見ると、ちょっとびっくり。

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歌舞伎座の内部

公演前から楽しい歌舞伎舞台

おお、広い!
あれが花道か!
上階の両サイドの席、結構よさそう!
一番前の人がうらやましい!

初めて歌舞伎座の中に入ると色々な情報が目に入り、ついキョロキョロしてしまいます。舞台には、『歌舞伎といえば』で頭に浮かぶ、あの緑とオレンジと黒の幕(定式幕っていうらしいです)がかけられ、裏で、次の演目の準備が進められていることを想像させます。
他の観客は比較的年配で落ち着いた方が多く見られますが、結構若い方もいたりします。歌舞伎俳優がTV番組に出演している効果があったりもするのでしょうか。
よく見ると壁紙は文様が浮き彫りになっていたり、天井の照明のとリ方が独特だったり、こだわりをあちこちに感じます。

こういう時の待ち時間って長く感じるんです。開演数分前にフザーが鳴り、まだかまだかと待ちます。今月の演目のリーフレットをじっくり見返したり、携帯電話の電源をoffにしたりしていると会場の照明が落ち、ついに開演………………。

歌舞伎はとっても面白い!

いやー。面白かったです!
初めて見る演目のチョイスとしては、抜群だったと思います。色鮮やかな衣装に強い照明が当たり、舞台上が一枚の絵のように美しい!連獅子を思わせる5人の鬼の顔、赤くて長い髪、その長い髪をぐるぐる回す様。

三味線を使っての演奏タイムは少々眠気を感じちゃいましたが、どこからともなく『成田屋!』『中村屋!』とかかる掛け声が新鮮ですし、最後の5人と鬼と男たちのチャンバラは、色彩そのものが舞台の上で舞っているかのようでした。

私は、一幕見席で初めて歌舞伎を見たこの日を境に、毎月のように歌舞伎を見に行くようになってしまいました。

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    入口前の積み樽

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    別月の絵看板その1

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    別月の絵看板その2

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    別月の絵看板その3

【山寺】東京から2時間半で出会える、東北の絶景

五大堂からの絶景

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冬は苦手です。
寒さから体が縮こまり、生命活動が小さくなります。出かけるのが億劫になり、食に溺れる日々。そんな寒い時期に、寒い場所に行く楽しさを教えてくれた場所があります。それが、山形県と宮城県の間にある絶景、山寺(立石寺)。旅行会社などのCM等で、一度は見聞きしたことがあった山寺ですが、正直、行くことは考えていませんでした。冬ならなおさら。

しかし、東京駅から仙台駅まで新幹線で1時間半、仙台駅から山寺の拠点となる山寺駅まで1時間弱。『東北=遠い』という図式しか頭になかった私ですが、東京から2時間半で出会える絶景に、一気に山寺への旅に現実味が湧いてきました。牛タンとずんだ餅もちょっとした楽しみに加え、数年前の冬のある日、一泊二日で出かけました。

東京から一番近い(?)東北の絶景

東北の玄関口仙台駅へは、東京からたったの1時間半。山寺への拠点になる山寺駅へは、そこから仙山線(せんざんせん)に乗り換え約1時間で到着です。仙台と山形を結ぶこの仙山線ですが、仙台駅のある海沿いの平地から、徐々に徐々に高度が上がり丘陵部を経て奥羽山地に入っていく車窓からの風景は、東北の地形を肌で感じられ、目的地山寺に向かうまでの旅情を掻き立ててくれる、非常に魅力的な路線でした。

そんな山間部を超え、宮城県から山形県に入った辺りにひっそりたたずむのが山寺駅です。駅を出ると、すぐ向かいの山に、露出した岩肌やそれらしき建物がちらほら顔を出しているので、案内板と帰りの電車の時刻をチェックし、さっそく向かいました。

道中、飲食店の看板を数件見かけましたが、閑散期ということでしょうかほとんど営業してません(当然駅前にコンビニもなし)。そういった街のさみしさと冬の寒さが、遠いところに来たんだなぁとしみじみ感じさせてくれます。そんな冬の道を進むこと駅から10分弱で、山寺への入り口となる登山口へ到着しました。

凍った階段を1000段登る、困難な道

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    根本中堂

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    凍った石階段

登山口の階段を上るとドンと構えた立派な建物が現れます。思わず手を合わせたくなる程大きな屋根と雰囲気を醸し出すこの建物は根本中堂というらしく、国指定の重要文化財でブナの建造物としては日本最古のものらしいです。

この根本中堂の左に続く道を歩くと山門が現れ、そこから石階段を登り始めることになります(拝観料は大人300円)。気温は0℃前後で寒いはずですが、山道をひたすら登るため寒さはあまり感じません。ただ針葉樹に覆われ光が届かない冬の山道は、降り積もった雪が凍り、とにかくツルツル滑ってかなり危険です。

「筋肉番付」のアトラクションの如く、どこを通れば滑らないかと頭を使いながらの登山となります。この時期に山寺を上る人は数えるほどしかいないらしく、道中出会った人は10人もいなかったんじゃないでしょうか。ただただ、上ることにのみ集中する時間が流れ、どんどん雑念が消えていくようです。お寺の本堂参拝のための長い階段を上る行為というのは、そういった雑念を払うため意味と関係がありそうですね。もくもくと山道の階段を一人で登る。聞こえるのは自分の息遣いのみ。日常ではめったにない、自分と向き合う時間を体験した感じです。

そろそろ歩くのに疲れた頃、『一休みしていったら?』と言わんばかりに出迎えてくれる、岩と石碑が現れます。この岩が松尾芭蕉が、蝉の声がしみ入ると歌った岩、せみ塚としてまつられている岩と石碑です。夏だと五月蠅いくらい元気なせみの声がこの山中に響る渡るのでしょうか。山の魅力は、季節を変えて訪れたくなるような魅力がありますね。そこからさらに進むと別の石碑があったり上を見上げると建物が見えたり、立ち止まって写真を撮りたくなる風景が多くなります。ここまで来ると頂上まではすぐ、登山口から頂上まで約40分の道のりでした。

奥行きを失った、水墨画のような絶景

頂上に鎮座する奥之院に手を合わせ、一番の目的である立石寺開山堂(「山寺」で検索すると出てくるお馴染みの建物)と、絶景を拝める立石寺五大堂へ向かいます。この開山堂から絶景を望む五大堂へ向かう小道が雪と氷に覆われ、冬は非常に危険です。横のロープにつかまりながら、一歩一歩確実に歩を進めながら到着した五大堂には誰もいません。そしてそこからは、疲れも吹っ飛ぶ絶景が広がっていました。

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立石寺五大堂からの絶景

眼下に広がるのは、山間部に広がる建物と雪原。その間を抜けるように走る細い仙山線の線路と小川。そしてその平地を包み込むように立つ山々。視線に収まる全ての景色が雪で覆われ、風景としての色彩を失い、とてつもなく大きな水墨画のような風景が広がっていました。白と黒とそのグレデーションでかすかに奥行きは感じられますが、3次元なのに2次元的にどこまでも広がる風景は、疲れと寒さを吹き飛ばしてくれました。
5分、10分、誰も来ません。この風景を独り占め出来る贅沢は冬ならではないでしょうか。

平地よりもはやく夜がくる山。
寒さと雪と夕暮れが少々生命の危機を感じさせるため、名残惜しい気持ちを残し下山を始めました。先ほど見た絶景の余韻に浸りながらゆっくり下山をしたかったのですが、凍った山道の下山がとにかく危険で危険で。一度滑るとどこまでも止まらない恐れがあるため、慎重に慎重に歩を進めながら下山しました。

 

翌年、紅葉が深まった秋に山寺を再訪しました。冬に凍っていた階段は問題なく登ることができますし、山頂までの色づいた木々を眺めながらの登山は、冬とは違い素晴らしかったです。次は清々しい新緑の季節に訪ねてみたいと思います。 春夏秋冬、別の顔を見せる絶景山寺。ぜひ訪れてみて下さい。

冬に山寺に行く方は、十分にご注意を‼

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立石寺五大堂からの絶景(秋)

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    秋のせみ塚

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    秋に見た、開山堂横の納経堂

ちなみに…

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山寺への中継地になる仙台駅の駅中で食べたずんだ餅。『仙台に来たらとりあえず…』の気持ちで食べたんですが、めちゃめちゃ美味しかったです!塩昆布との相性が抜群‼

INFORMATION

住所:
〒999-3301 山形県山形市山寺4456−1
営業期間:
8時~17時(拝観時間は午前6時から午後6時)
※早朝は拝観料箱にお金を入れて、山門をくぐるそうです。
アクセス:
JR仙山線山寺駅から登山口まで徒歩約10分