【日本武道館】武道の殿堂は、内部空間がすさまじい!

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アーティストのライブで、度々名前を聞く「日本武道館」。

一度でいいから内部を見てみたいと思っていました。できれば名前が示す通り、「武道」を行っている時に。そして先日、念願の日本武道館の内部に入ることが出来ました。
第41回 全国高等学校柔道選手権大会を見るために。

武道館の中に入りたい

日本武道館とは

そもそも日本武道館は、1964年東京オリンピックが行われる際、正式競技に採用された柔道の競技会場として、江戸城跡地である東京都千代田区の北の丸公園内に建設されました。収容人数は14471人、設計は京都タワーの設計者でもある山田守氏。「造形」に特徴のある建築を作る方だそうで、日本武道館の大屋根の形は、富士山の裾野をイメージしているそうです。

1966年にたビートルズのコンサートが行われたのもこの日本武道館で、それ以降日本における音楽の聖地とされ、多くのミュージシャンにとっての憧れの舞台になっているのだとか。

全国高等学校柔道選手権大会

全国高等学校柔道選手権大会は、毎年3月の春分の日前後に東京の日本武道館で開催される大会です。
二日間にわたって行われる大会で、初日に個人戦、二日目に団体戦が行われます。
私が訪れたのは、二日目、春分の日の祝日に行われた団体戦です。柔道経験者でもありませんし、柔道に強い思い入れがあったわけではありませんが、日本武道館は、武道が一番似合うのではと思い、このイベントを選びました。

※ちなみに来年の2019年度は、武道館改修工事のため、この大会自体は日本武道館ではなく別の所で行われるそうです…。

いざ武道館へ

3月21日(祝)春分の日、柔道の大会自体は朝の9時過ぎから試合が行われているそうですが、とりあえず内部空間とその中で武道が行われている雰囲気が味わえればと思っていたので、昼ご飯を食べた後、14時過ぎに到着の予定で向かいました。

武道館の最寄駅、地下鉄九段下駅を降り、案内マップを確認して、武道館近くに出る2番出口へ向かいます。ちょうど東京の桜の開花宣言が発表されたこの日、東京の桜の名所、靖国神社と千鳥ヶ淵の入り口にあたるこの九段下の桜の木も、何輪かの桜が咲いていました。
そして、江戸城跡地に当たる北の丸公園の入り口となる田安門をくぐるとすぐに、日本武道館が見えてきます。

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上に向け広がりを見せる外観

関係者や選手と思われる方々が武道館前にたくさんいます。その混雑を抜け、当日券のチケットを購入し、入口へ。チケットのもぎりの学生さんに『楽しんでいってください!』と気持ちよくいってくれたのが印象的でした。

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チケットはちょっと今風

すり鉢状の内部

2階自由席(¥1.000)のチケットなので階段で2階へ上り、観客席への重く大きな扉を開けると、おお!

八角形のすり鉢状の内部全体が現れました。八面に折れた観客席のすべてが、一階の競技場に向っているような、強い求心力を感じる空間です。天井は折り紙のように幾重にも折れ曲がり、上へ上へと立ち上がります。柱のない無柱空間を実現するための、建築構造的な意味合いでしょうか。

そして天井の中央部分には日の丸の日章旗。
『今日が春分の日で祝日だから?』と思いましたが、日本武道館では常に掲げられているそうで、どんなイベントでもでも降ろしてはいけないのだそうです。

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日本武道館の天井

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2階観客席から競技場を見る

そして会場全体を見渡します。

何かのイベントを行う際、会場が大きいほど人はたくさん入れますが、後ろの方(上の方)の席だと遠く感じる場合があります。逆に会場が小さいと、どこにいても近くで見れるメリットはありますが、大勢での雰囲気、会場が一体となる感動を感じにい場合がある中で、この日本武道館は、大きすぎず小さすぎず、非常に丁度よく感じました。競技場と客席も非常に近く感じます(感覚的にですが)。

さてどこに座ろうかと座席を見回すと、各高校の選手・応援が塊となって陣取っており、そのすき間に空席があるといった感じです。午前中で敗退し、帰宅の路についた高校もあるため、座席の埋まり具合は6~7割前後といったところでしょうか。1.2人なら前の方の良い席で見れそうです。

そして下の競技場では、男女団体戦の準決勝がちょうど始まるところでした。

柔道への興味

スーパー高校生斉藤君

実は、一度は入ってみたかった武道館のイベントにこの大会を選んだのは理由があります。
国士館高校の斉藤君です。

ちょうど一年前、去年の春分の日、夜何気なくスポーツニュースを見ていたら、去年のこの大会の模様が放送されていたのです。その時に、病のため2015年に亡くなられたロサンゼルス五輪・ソウル五輪男子柔道重量級金メダリスト斎藤仁さんの息子さんで、当時高校一年生だった斉藤立(たつる)君が国士館高校の選手として出場していることを知ったのです。
身長190㎝体重140kgを超えるスーパー高校生。将来の柔道界を担う存在として有望される彼にスポットを当てた内容でした。

オリンピック開催中にニュースで見る以外、特に柔道に対して強い思い入れがあったわけではありませんが、一年前のそのニュースがずっと心に残っていました。そして一年後の今日、国士館高校の団体戦大将として出場している彼と武道館を見るため、この大会を見に来たのです。

その国士館高校は順調に準決勝にコマを進め、斎藤君の出る幕もなく決勝へ進出しました。(男子団体戦は五人制で、勝った人が残っていく、勝ち抜き試合)

決勝、視線が一点に集まる緊張感

決勝戦は照明を少し落とした後、ライトアップする演出、テレビ放送を意識した選手紹介の元、女子から始められました。女子は代表3人が一対一で戦うポイント制。一勝一分けで大将戦までもつれる緊迫したものでした。

その後、テレビ中継のための優勝者インタビューが行われた後、男子の決勝へ。

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    向かって左列一番奥が斉藤君

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    斉藤君と対戦相手

男子は五人制で、勝った方が残っていく勝ち抜き試合ですが、一人勝ち抜いては負け、お互いが引き分けを繰り返し、四人目の副将同士も引き分け、最終的に大将同士の対戦になりました。斉藤君の登場です。決勝戦と主役の登場で会場の視線が一点に集まります。

身長190㎝体重140kg。対戦相手より一回りも二回りも大きい斉藤君が有利なのは明らかでしたが、相手が善戦しました。体格で大きく劣るため、まずしっかり両手で組ませません。そして、斉藤君の前に出ている左足を狙った作戦で、開始一分を過ぎてもどちらが勝つかわからないほどでした。

しかし、最後は主役の一本勝ち。
斉藤君が技をかけて相手が宙に浮いた瞬間、会場が一斉にどよめき、そして審判の『一本!』の声とともに試合終了です。

いやー、面白かったです。
武道館という建物も楽しみつつ、柔道の試合も十分に楽しめました。
公園の内部にある日本武道館は、自然を感じながら、穏やかな気持ちで帰れるのも良い所です。風は強かったですが、天気も良く、非常に良い休日でした。

ちなみに…

平成31年4月29日(祝)に行われる、柔道の全日本選手権も日本武道館で行われるそうですよ。
興味のある方は是非!

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