nendoの壁掛け時計は、「主張しない個性」でインテリアに溶け込む

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「さりげなさ」ってすごく好感を持てます。
強く主張はせず、でも心には何かを残していく…。
人の性格や行動だけでなく、デザインにもそういうさりげなさを感じるものがありました。

ここ数年、デザインといえば名前を聞くようになった佐藤オオキ氏率いるデザイン事務所「nendo」がデザインした壁掛け時計「dandelion」です。

シンプルなデザインに、ほんのり個性をちりばめる

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見てのとおり、すごくシンプルです。秒針もありません。アクリルのカバーもなし。
時間を示すための要素以外は無駄なものは何もありません。
ただこの時計、とにかくシンプルなだけではない、別の時計とは違う何かがあるように思えるんです。

単体で見るとわかりませんが、壁に掛けた際、強く主張することなく部屋にすごくなじむんですけど、でもほんのり主張するんです。なぜなのでしょうか。

質感と色味

艶消しの質感であることで、光が当たってもきらりと光ることなく、強い主張を抑えると思うんです。
そしてこの絶妙の色味。このパステルカラーの色味がほんと絶妙なんですよね。
白色が混ざったような淡い色彩が、後ろの壁に軽く同化することでさらに主張を抑えています。

でもどこまでもなじんでしまうだけじゃなく、この時計はほんのり主張をしている気がするんです。

立体感を出すフチ

時計の一番外側、フチの部分。このふちの部分を、本体と同色にしながらも少しだけ立ち上げることで立体感をが生まれ、ほんの少しだけ存在感を出すことに一役買っているように思えます。

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    立体感を出すためのフチ

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    文字盤がタンポポの綿毛

文字盤に少しの個性を

そして何の変哲もない文字盤部分、ただシンプルなように見えますが、よく見ると文字盤が数字ではありません。
これは『数字の代わりにのタンポポ(=dandelion)の綿毛の本数によって時刻を伝える掛け時計。綿毛がふわふわと風に舞い散るように、流れ続ける時を表現した。』のだそうです。

そして、時間を表す12本の細い線の長さが、他の壁掛け時計よりちょっと長いと思うんですよ。
これが短針とかぶる絶妙の長さなので、時間を確認するため『パッ』と見たときに、何時何分か、他の壁掛け時計よりも、一瞬で判断できるための仕掛けなのかなと思います。

質感と色味で主張を抑えて抑えて、でも、フチの部分を立ち上げ立体感を出すことで、ほんのり主張。そして文字盤のデザインを線の幅は狭く、でも長さやデザインでほんのり他とは違うように主張しているのが、この時計のさりげない存在感を支えているのかなと思います。

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12本の線の長さと細さがちょうど良い

ミニマム・シンプルなデザインって、凛としていてカッコイイものが多かったりしますが、眺めているとちょっと緊張するようなのものが多かったりしますが、この壁掛け時計はシンプルでありながら、なぜか気持ちが和むような、そんな時計なんです。

部屋になじむ壁掛け時計を探している方に是非おすすめのプロダクトです。

INFORMATION

デザイン|
nendo(ネンド)
ブランド|
Lemnos(レムノス)
色|
グレー・ベージュ・ホワイト
サイズ|
直径290mm×厚み40mm
重量|
約580g
価格|
¥5,400(税込)

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